籠球裏の書
□第8Q
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花「今日はこのへんにするぞ。明日は休みで、明後日からはいつも通りに朝練やるからなァ。」
全「はいっ!ありがとうございました!」
夕方になり、今日の練習を終えた花宮達。
スズも久々に体をよく動かし、額や首筋には汗が流れていた。
「はぁーっ、久々に良い汗かいたなぁ〜。」
タオルで汗を拭いながらニカニカと笑う。
原「てかさ、せっかくここに来てんのにボール触らねぇっておかしくね?」
花「…………」
「あ、えっと…邪魔しちゃ悪いと思ったから!ほら、私がボール持ったって大して上手くもないし…それに、人のプレイ観てる方が好きだよ!」
慌てたように言い訳をすれば原は、ふーんそう、とつまらなさそうに呟く。
弘「おい原、さっさと着替えねぇと風邪引くぞ。」
原「へーい。古橋と瀬戸も行こうぜ。」
四人は汗だくなので着替えるべく更衣室に向かった。
花「……バレバレの嘘言ってんじゃねーよ。」
「はは…だって、ああ言わないと、ね?」
花「……ふん。」
花宮も更衣室に向かい、体育館ではスズが一人ぽつんと立っていた。
「……観てる方が好き、か…。本当はバスケする方が好きなんだけどね……。」
そういってスズはカゴに入れられたバスケットボールを眺めていた。
〜第8Q〜
弘「あー、マジ疲れたって今日は…」
シートで汗を拭いながら項垂れる山崎。
原「まぁそりゃザキだけ練習三倍だったしねー。」
瀬「あのスズって子、今日だけ特別に来ただけか?」
花「………」
古「……花宮?」
花「………え?あ、悪ィ…なんだって?」
ぼーっと突っ立っていた花宮に古橋達は不思議そうに彼を見つめた。
弘「お前大丈夫か?今日一日どこか元気無かったぞ。」
花「はぁ?うるせぇよ、気のせいだろそんなこと。」
古「気のせいじゃない。……ゲームの時もすごく思い詰めた顔をしていたぞ。」
原「まぁこの場合、古橋だけじゃなくてオレ等も薄々分かってたから。」
花「…だとしてもお前らが気にする事じゃねーよ。」
自分のロッカーに眼飛ばしながら黙々と着替える花宮。
瀬「……花宮」
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