籠球裏の書
□第13Q
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弘「いやー、にしても誠凛スゴかったなァ。まさかあんな切り札持ってたなんて今でも信じらんねーよ。」
山崎は関心したように声を出す。
丁度誠凛VS桐皇の試合も無事終わり、応援に着ていた霧崎達は帰り道に今日あった試合内容を話していた。
原「もうあれ誰もが誠凛負けだって感じ出てたのになー」
瀬「あの11番のミスディレクションをわざと切らせるなんて誰も思いつかなかったろうな。」
花「…ふはっ、こんな事提案するのはどうせスズだろ。……嫌になんぜアイツは。昔っからそうだ…」
古「…そういえば花宮。試合が始まる前、どこに行ってたんだ?」
花「……」
花宮は古橋の問いかけに無言の圧力をかける。まるで不粋な事を聞くなと言わんばかりに。
それを感じとったのか古橋は目を伏せて一歩後ろに下がる。
古「いや、興味本意に聞いてみただけだ。」
花「…ならいい。」
「「「………」」」
花宮のその態度に山崎と原と瀬戸は顔を見合わせた。
〜第13Q〜
「記念すべき初戦、おめでとうーーーー!!!!」
イェーイ!と更衣室で喜びを見せるスズ。
木「あぁ、本当に良かった。スズがオーバーフローの存在に気付いてくれていたお陰で何とか桐皇に勝てたな。」
木吉は鼻高々にスズを褒め、よしよしと彼女の頭を撫で回す。
「ん〜、恥ずかしいってお兄ちゃん…そんなの、大したことないって…」
小「いやいや、大したことあるってスズ!お陰であの桐皇に勝ったんだぜ!」
小金井は嬉しそうにそこらをぴょんぴょんと飛んで跳ねる。
水「………」
横の水戸部も嬉しいのかスズにニコッと微笑みかける。
リ「確かにスズには感謝してるわ。…ありがとう。けど、まだこれからよ!」
カントクの言葉にそれもそうだ、と賛同するキャプテン。
日「あの桐皇に勝ったからって、次の試合が楽に通れるなんてそんな事思ったらお終いだからなお前ら!」
降「けど、やっぱあの桐皇に勝ったんだ…なんか気持ちがすげーふわふわしてる…」
日「それがダメなんだろうがダァホ!」
黒「…あの、スズさん…」
「ん?」
喜んでいる最中、黒子は冷静にスズを呼んだ。
黒「あれからずっと気になってるんです…赤司くんとの関係が。」
火「あぁ、そういやお前やけにあの赤司に親しかったよな。…ワケありか?」
「…そうだね、これもいつか話さなきゃって思ってたよ。」
するとスズは一度咳払いをし、皆を見渡した。
「あの、少しお時間いただけますかカントク、キャプテン。」
リ「…まぁ私は構わないけど…気になるわね、貴女とあのキセキの世代を引っ張ったキャプテンの関係。」
木「………」
火「あぁ、ぜひ聞かせてくれ。」
「それじゃあ…たまには昔の話でもしようか。」
スズはベンチに座り、軽く深呼吸をした。
「以前、私とまこっちゃん…花宮真と幼馴染だってことは聞きましたよね。」
こくんと首を縦に振る。
「彼もそう…征ちゃん、赤司征十郎は私と幼馴染なんです。」
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