大空の誓い

□それだけのコト。
2ページ/7ページ

「……目!!十代目!!」

顔をあげると、獄寺くんが心配そうにこっちを見ていた。

「大丈夫ですか、十代目。ぼぅっとしておられましたよ」

「うん、平気。ゴメン、ちょっとぼーっとしちゃっただけだから」

獄寺くんに笑いながら誤魔化す。

「ですが、病気とかでしたら大変です!!保健室は……あの馬鹿がいますが、お休みになることくらいは出来ます。休息を取られては?」

更に付け加えようとする獄寺くんに慌てて断ろうとする。この心優しい俺の忠犬なら担いででも連れていきかねない。

「いや、ホントに大丈夫だから!気にしないで、獄寺く…「でも、ある意味病気なのなー」

それまで黙っていた山本がいきなり俺の言葉を遮る。

「はぁ!?野球バカ、てめえなんか知ってんのかよ!!」

「獄寺にはまだ早い話なのな。だろ?ツナ!」

その言い様に、獄寺くんから目を外して山本を見た。


そしたら、口パクで「雲雀」…バレてる。
しかも、さっきの言い方からして完璧にわかってる。

思った瞬間に、急速に顔に熱が集まる。

「ははっ、やっぱ顔赤くなってんのな。保健室行ってこいよ」

山本の言葉に獄寺くんも突っ掛かるのをやめてこっちを見た。

「いや、あの…俺は」

「やっぱり保健室に行かれた方が……。俺が運びますから!」

「い、いいよ獄寺くん!自分で行けるし!!」


……あ、墓穴掘った。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ