大空の誓い
□それだけのコト。
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「……目!!十代目!!」
顔をあげると、獄寺くんが心配そうにこっちを見ていた。
「大丈夫ですか、十代目。ぼぅっとしておられましたよ」
「うん、平気。ゴメン、ちょっとぼーっとしちゃっただけだから」
獄寺くんに笑いながら誤魔化す。
「ですが、病気とかでしたら大変です!!保健室は……あの馬鹿がいますが、お休みになることくらいは出来ます。休息を取られては?」
更に付け加えようとする獄寺くんに慌てて断ろうとする。この心優しい俺の忠犬なら担いででも連れていきかねない。
「いや、ホントに大丈夫だから!気にしないで、獄寺く…「でも、ある意味病気なのなー」
それまで黙っていた山本がいきなり俺の言葉を遮る。
「はぁ!?野球バカ、てめえなんか知ってんのかよ!!」
「獄寺にはまだ早い話なのな。だろ?ツナ!」
その言い様に、獄寺くんから目を外して山本を見た。
そしたら、口パクで「雲雀」…バレてる。
しかも、さっきの言い方からして完璧にわかってる。
思った瞬間に、急速に顔に熱が集まる。
「ははっ、やっぱ顔赤くなってんのな。保健室行ってこいよ」
山本の言葉に獄寺くんも突っ掛かるのをやめてこっちを見た。
「いや、あの…俺は」
「やっぱり保健室に行かれた方が……。俺が運びますから!」
「い、いいよ獄寺くん!自分で行けるし!!」
……あ、墓穴掘った。