大空の誓い
□それだけのコト。
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「んじゃ、行ってこいよ。先生にはうまく言っとくから」
原因を作った張本人がニコニコしながら言う。
隣でおろおろする獄寺くん。
……実に対称的な構図だ。
まぁ次の授業は嫌いだし、抜ける口実ができたのはありがたい。
その点では山本に感謝だ。
「うん、じゃあ行ってくる」
席を立って何気なく窓の外を見ると、雲雀さんがまだいた。
ゆっくりと、目線をあげた彼と俺の視線が交差した。
顔が更に赤くなった気がして慌てて目を反らし、逃げるように教室を出た。
と、言っても保健室なんて行きたくない。というより追い出されそうな気がする。
なんたって相手はシャマルだから。女しか見ない最悪保険医だから。
じゃあどこに行こうと思案して、屋上を思いついた。
あったかいし、寝るのにも好都合。
そう考えて、くるりと身体を屋上へと向かわせた。
屋上には誰もいない。って当たり前か。今、授業中じゃん。
そんなことを考えて背中を壁にもたれさせる。
うん、ぽかぽかだ。これなら誰だって居眠りしたくなる。
最後にそんなくだらない考えを残して俺は睡魔に屈した。