大空の誓い
□同窓会クライシス
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日曜日、並盛町にある高級ホテルのレストランにて。
「うん、皆来てるみたいじゃん」
黒髪美少女の黒川花と、通称並中のアイドル、笹川京子は久しぶりの再会で、話に花を咲かせていた。
「あとは……あの3人だけか」
「うん、そうみたい。でもつっくんのお母さんに手紙を渡したから来てくれると思うんだけど……」
京子はキョロキョロと辺りを見回す。
「会場にはまだ来てないみたいだね。てかさ、あのダメツナがどう変わったか、楽しみじゃない?」
「そうだね。つっくんも獄寺くんも山本くんも遅いなぁ……」
その頃、ホテルの前に一台の高級車が滑り込むように止まった。
中からは5人の青年達が出てくる。
まず、運転席から銀糸の髪を肩まで伸ばして、翡翠のような瞳を煌めかせた青年が、男性にしては華奢なスタイルをして出てきた。
そして、後ろのドアを開ける。
最初に姿を現したのは藍色の髪を後ろで一つに緩く縛り、腰下まで垂らした青年。
立ち上がって細められた瞳は、濃青と真紅のオッドアイ。
薄く浮かべられた笑みはどこか妖しさを感じさせる。
同時に運転席の反対側、すなわち助手席のドアを開き、黒髪を短く切り揃えている青年が出てくる。
引き締まった体にふさわしく、190cm近い長身の青年が楽しそうに黒い瞳を瞬かせながら、扉を閉めた。
続いて後部座席から出てきたのは、先の青年と同じ漆黒の短髪を持つ青年。
だがその真っ黒な瞳は鋭く前を見据えており、どこか近寄りがたい雰囲気を醸し出している。
そして、青年は振り返りその相貌が愛しげに細められ、車の中へと手を差し伸べた。
その手に色白の細い指が重ねられた。
そしてあどけない顔をした、まだ少年と呼ぶにふさわしい、美少女と言っても通用するような青年が姿を見せる。
蜂蜜色の髪を襟足だけ長く伸ばし、重力に逆らうかのようにふわふわと頭頂部の髪が揺れ動く。
瞳は琥珀のように光に当てられてキラキラと輝く。
彼らは周りの人間から向けられる熱い視線を全て無視したまま、建物の中に入っていった。