大空の誓い
□ジョハリの窓
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「確かにね。それに、『他人にも自分にも見えない部分』が表に浮上して、他の3つの窓のどれかに振り分けられれば"あった"という証明は可能かもしれない。けれど…「今もあるとは証明できない、でしょ」
遮った綱吉に怒るでもなく、雲雀は綱吉の髪をすく。
「そういう事。流石は綱吉。僕の言いたいことちゃんとわかってるじゃない」
「当然。俺は恭弥で恭弥は俺なんだもの。……で、なんでこんなこと言い出したの?」
ようやく、核心を突く質問ができた。「4つ目は無い、と断言したいんじゃなくて、無いと思いたいのさ。だってそうだろう?僕が綱吉のことで知らない部分があるなんて絶対に嫌だもの」
雲雀の言葉に綱吉は一瞬きょとんとすると、フワリと笑った。
「そういうことかぁ。俺だってやだよ。恭弥の事で知らないことがあるなんてさ」
「たとえお互いが1つになったとしても、4つ目の窓は覗けない。僕は君の全てを知りたいのに」
雲雀は口元に笑みをたたえたまま、けれど真剣な目で囁く。
「だったら、これから知っていけばいいじゃない。時間はある。俺だって恭弥の全てを知りたいから」
「それもそうだね。それに……」
言葉を切ると、綱吉の唇に自分のそれを重ね、舌を絡める。
「んッ!?……ふァ、んぅ」
唇を離すと銀糸が二人の間を繋ぐ。
綱吉は顔を高潮させ、潤んだ目で雲雀を見上げる。
「それに、こんなかわいい顔は僕しか見られない、僕の特権だしね」