大空の誓い

□代替品[ジェイルオルタナティブ]
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「……ミーはちゃんとベル先パイに愛されてるんですかねー」

部屋に戻ったフランはカエルの被り物を脱ぎ捨てた。
そのままベッドにうつ伏せに倒れるとクッションを抱き締める。

今の呟きの通りベルとフランは恋人同士。一応、隊内公認でもある。
告白したのはベルから。
だが、フランはずっと心配していることがあった。

自分は代替品では無いのか、という事だ。
自分が幹部になる前、この椅子にはマーモンという霧のアルコバレーノが座っていたらしい。
そして、そのマーモン先パイはベルととても仲がよく、カエルを頭に乗せていたのだとか。

自分が強制的に被らされているカエルの被り物。これはマーモンと自分をダブらせて見ているのではないか?
考えると、頭は悪い方向にしか向かって行かず、フランはため息を吐いた。


「なんですかねー。師匠と犬兄さん達がいればいいと思ってたのにー……」


最初は憎たらしい先パイでしかない相手。
ヴァリアーにいるのも、師匠達の為。
そう思っていたハズなのに。

「いつの間にかホントに好きになっちゃいましたよー、ベル先パイ……」


視界がぼやけて来るのに、フランは気づかないふりをした。
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