大空の誓い
□独占欲
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「2ーA、沢田綱吉。今すぐ応接室に来なよ」
放送をかけてから、ぐったりと執務椅子に身を預ける。
校庭にも内容が届くようにしておいたから、多分すぐに来るはずだ。
ガラッ
「な、なんで、すか?雲雀さ…恭弥さん」
無防備に、扉を閉めるキミ。
さぁ、最期のチャンスを。
「ねぇ、僕ら付き合ってるんだよね?」
「ほぇっ!?……は、ハイそうですけど」
「じゃあ、」
笑ってよ。
捻り出したような声は、まるで僕の声じゃないみたいで。
そんな僕の申し出に、綱吉は困ったように慌てたあと、ゆっくりと口角をあげた。
いつも僕の前で見せるような苦笑い、だった。
ゲームオーバー。
君は、笑ってくれないんだね。
執務椅子から立ち上がり、綱吉の前まで行く。僕がいきなりこちらに来たことが意外だったらしく、彼は目を一杯に見開いた。
細い首に手をかける。
力を、いれる。
「き、恭弥さ……ぁく、くる、…ぃ」
僕の腕を掴んで止めようとする素振りすら見せない。自由なはずの彼の二本の腕はゆっくりと僕の頬をなぞり……滑り落ちた。
首に入れた力を抜く。
綺麗な白い首に残る、僕の指の形をした鬱血痕。
急速に冷えていく彼の身体。
光を無くした瞳は、その琥珀のような美しさを濁らせていく。
生命の欠片が無くなった綱吉の身体を思い切り抱き締める。
やっと、君は僕だけのもの……。
愛してるよ、綱吉……。