clericalismo
□第一光 時空渡境
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沢田綱吉はいつも通り、学校に向かっていた。
厳密に言えば、今日は日曜日なので学校に行く必要は無いのだが。
それなのに何故学校に向かっているのかというと、簡単な理由である。
(恭弥はきっと応接室にいるよな!さ、楽しみだなぁ!)
とは言っても、応接室にいるのは雲雀だけではない。
骸逹いつものメンバーでの、いわゆるお茶会のようなものを、綱吉達は放課後毎日のように応接室でおこなっていた。
まぁ、何人かたまに抜けたりして全員が揃わない事もたまにあったと言えばあったのだが。
とにかくこんなわけで綱吉は休日にも関わらず、学校への道を急いでいるのだった。
曲がり角に差し掛かり、曲がったところで異変は起きた。
踏み締めた筈の、固い地面の感触が全く感じられなかったのだ。
(っ!?しまっ……)
なにが起きたのかわからないままに、綱吉はいきなり落下していく。
周りは真っ黒な世界で、何も見えない。
と、言うよりは
(……何も、ない……?)
直ぐに冷静になって周りを見渡すあたりは一度未来に行った場慣れか、綱吉自身の性格によるものか。
そして、直ぐに空中に投げ出された。
地面にたどり着く前に、リボーンに教えられた受け身をとり、衝撃を和らげる。
「あたたた……。ここ、どこだよ。……また未来なのか?」
綱吉はキョロキョロと辺りを見回し、気配に気を配る。
「……未来だとしたら、俺はまたなんでこんなところに……。しかも、10年バズーカに当たったわけでもないのに。」
(……いや、あれはたまたま10年バズーカが引金になっただけであって、実際は正一くんの機械で飛ばされたんだから関係無いか……)
綱吉が呟くのも無理はない。自分が落ちた場所はどうやら芝の上であったためになんとも無かったようだが、周囲をよくよく見渡せば荒れ果てた村のような場所の前にいたのだから。
「……取り敢えず、この時代の皆と合流しなくちゃな」
……人間、初めてではないことにたいしては順応が早いものである。
綱吉が村に背を向けたその時だった。
突如後ろから聞き慣れた銃器の音が聞こえ、綱吉は再び後ろを向き、構える。
そこにいたのは、何とも形容し難いボール型の機械のようなものだった。
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