零崎壱識の人間観察
□零崎
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「起きる。」
その日、僕はいつも通り起きた。
普段と何も変わらず。
今日は仕事しないといけない。
依頼も来ていることだからね。
僕は潤さんのまね事、つまり請負人を仕事にしている。
まだまだ駆け出しで一人じゃ何もできないけど、アパートの皆とかに手伝ってもらいながら何とか依頼をこなしてきてる。
とりあえず背広をきて、今回はおかたいとこだからネクタイもしめて。
準備もできたし、そろそろでかけようか。
今回の依頼はある契約を取り付けること。
話し合いだから僕のテリトリーだ。
戯言を使えば、どうにかなると思う。
健全な会社だし、厄介事には発展しないとは思うし。
「仕事か、いの字。」
アパートからでると、みい子さんが早朝トレーニングから帰ってきたところにでくわした。
「えぇ。みい子さんは今日はバイトですか?」
「あぁ、一応な。あんまり無理するなよ。」
「わかってますよ。じゃあいってきます。」
やっぱりみい子さんはいい人だ。
目的地に向かいながらふと右胸に意識をやった。
そこには人類最強から譲り受けた刀子型のナイフ《無銘》がある。
今回出番はないだろうけど、一応護身用として常に持ち歩くようにしてる。
仕事柄上、何があってもおかしくないから。
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