黒神の夢殿
□明日へのことば
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ラビは墓の前にいた。
「…………アレン」
今はもういない仲間の名前を呟く。
ラビはアレンと初めて会った時の事を思い出していた。
華奢な体と綺麗な白い髪。一瞬女かと思ってしまった。
これで男なのだからユウがモヤシと呼ぶのも分かる気がした。
礼儀正しくて仲間のためなら自分が犠牲になる、優しい少年だった。
そんな彼が死んでしまった。
彼が死んでしまった事によって、今教団は相当なダメージを受けている。
戦力的にも精神的にも……。
「アレン………、なんで死んじまったのさ………」
そしてそれはラビも同じだった。
アレンはもういない。
事実を受け入れるのと同時に決意する。
「…………誰も、もう死なせねぇさ………」
ブックマンとしてではなくラビとして……
明日を守るために………。