白魔の夢殿
□明日へのことば
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大切なもの
「アレ〜ン、遊ぼう??」
飛び付いてきたロードを受け止め、笑顔で答える。
「いいですよ。何して遊ぶんですか?ロード」
「うん、お人形遊びやろ〜」
ここでいう人形は生きている人間の事。但し、心は壊れて無いが。
「じゃあ、行きましょうか」
「うん。ねぇ〜アレンさぁ、聞きたい事があるんだけどいい??」
「? なんですか?」
「そのペンタクル消さないの?千年公なら簡単にけせるのにさ」
「これですか」
アレンは愛おしそうにペンタクルをなぞる。
「これは、マナが遺してくれたたった一つの形見なんです。それに…これは、僕と一体化しています。取ろうとすると僕にも影響が出るんですよ。僕が望んで一つになった物なのに取る訳無いじゃないですか」
その答えにロードは笑う。
「そっかぁ。その呪いは、大切な人からもらった『大切なもの』なんだね」
「えぇ、だから消しません。『大切なもの』だから………」