Trick and Treat!!
□序章 Ver.アオイ
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「……扇しねば良いのに」
どうもこんにちは、ってあたしは誰に挨拶してるんだ。
カラオケの帰り、あたしは親友のレイに愚痴りながら自転車を漕いでいた。
それにしても、朝からカラオケはキツイ。喉が痛い気がするが、気にしないでおこう。
「はいはい」
若干呆れたようなレイの返事。
「まじで扇しねば良いのに!」
「落ち着けって……」
未だにルルーシュをいとも簡単に裏切った黒の騎士団が赦せない。あ、星刻に関しては別だけど。
と、このノリで分かるように、アタシはルルーシュ至上主義者だ。
レイが呆れ返るくらいの。
こんな会話をしてたから、気づかなかったのだろうか。
午後七時は意外と暗い、ってのもあったかもしれない。
上から落ちてくる建築材料があることに。まぁ、気づいても回避出来たかは怪しいけれど。
うわ、最悪……。
死んだ、かな。
せめてレイは助かってると良いけど……。