Trick and Treat!!
□第三章
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「ちょっといいかな?」
レイとカレンと3人で喋っていたら、ルルーシュから呼ばれた。
カレンは嫌いではない。
ルルーシュが黒の騎士団から裏切られたとき、そしてゼロレクイエムの時、ルルーシュを信じたからだ。
途中で信じてくれなかったのはいらいらするけれど。
けれど、あんな奴等よりはましだ。
「……それで?何の用かしら?」
「ちょっと、ミキ!」
挑発するようなあたしの物言いにカレンが慌てて忠告の視線を送る。
だが。
「ルルーシュ・ランペルージが命ずる。質問に答えよ」
「……はい」
「嫌よ」
カレンがギアスに掛かったのを確認してから、あたしは閉じていた目を開いた。
目を見なければ、ギアスは掛けられない。
「な、何故だ!何故ギアスが掛からないんだ!」
狼狽えるルルーシュは本当に可愛い。
……あ〜スザクに渡すのは勿体無い気がしてきた。
「……その力、目を合わせなければかけられないんでしょ?だからよ」
「この力を知っているのか?」
なんて問われたけれど、答えるべきなのだろうか。
まさか、未来のことを知っていることや、転生者であることなど、喋る訳にはいけない。
取り敢えず誤魔化そう。
「えぇ。まぁ、ね。あたしだけじゃない。レイも知ってる。C.C……貴方が出会った緑の髪の美少女も、枢木スザクの事も」
「な、ぜ……」
と、言われても。
……話題を反らすか。
「あぁ。昨日、的確な指示をありがとう。ルルーシュくん?」
「っ!?……何の、事かな?俺は昨日はずっと家に……」
「隠さなくてもいいのよ。あれから逃げられたのね、良かったわ」
畳み掛けるように告げると、ルルーシュは詰まった後、ため息をついた。
うん、中々に潔いじゃない。
「……昨日は助かった。君と、カレンはなぜレジスタンスに?」
「あたし達は……」
ギアスにかかったままのカレンをちらりと見る。
「日本人とブリタニア人のハーフなの。だからよ。もともとはカレンのお兄さんがリーダーをやっていたみたいだけれど」
今のリーダーはカス同然だけどね。
「そう、か。ギアスの事は何処で?」
「それは…私の独断では教えられないわ」
レイに何も言わず教えたら色々と不味い。
最悪、未来が変わる。
「では、スザクの事は何故?」
「貴方の事も知っているわ。神聖ブリタニア帝国第98代皇帝シャルル・ジ・ブリタニアが第十一王子にして第十七位皇位継承者、鬼籍にお入りになられたとされる、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア殿?」
言うに連れてルルーシュの顔が歪んでいくのが目に見えて分かった。
「な、にを言って……!」
「隠しても、誤魔化してくれても構わないわ。けど、これだけは覚えておいて、ルルーシュ。あたしとレイはギアスなんて使わなくても、たとえ何があっても、貴方を裏切らない。
他の誰が信じなくとも、レイとあたしだけは何があっても貴方を信じる」
息を呑んだルルーシュにそうとだけ告げ、去った。
……つもりだった。