大空は悪夢の海に堕ちるか？
□第2夢 聞かされるは絶望
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ガタァン
最近は平和だった筈のヴァリアーアジト、それもボスであるXANXUSの部屋からとんでもない物音がした。
何かが破壊されたような、凄まじい音が。
そして、間髪入れずに幹部全員に招集がかけられた。
数分後、揃った幹部の前に無言で一通の手紙が差し出された。
差出人は沢田綱吉。
最近、XANXUSが綱吉と所謂文通をしているのは、幹部の誰もが知っていた。だが、最初の頃はともかく今XANXUSは綱吉との文通に上機嫌である。それなのになぜ、こんなにも怒りのオーラを発散させているのか。
疑問を払拭すべく、スクアーロが代表し、手に取ると黙読し始めた。覗き込むように、他の幹部達が。
そして、読み進めていくうちに彼等の顔は険しさを増していった。
『こんにちは、XANXUS。皆、も読んでくれてるのかな？
えっと、日本はもうすぐ冬が来るんだ。
って、イタリアとは緯度もあんまり変わんないし、一緒か。
俺だってちゃんと勉強してるんだからな！
こっちは相変わらず楽しいよ。
最近、やっと雲雀さんと骸達が打ち解けてさ。最近はクロームも交えて、4人で優雅(笑)なティータイムしてるんだ。
クロームの紅茶、美味しいんだよ。一回皆にも飲んで欲しいくらい！
あの雲雀さんのお墨付き！本人はまぁまぁなんて言ってたけど、満更でも無さそうだったし、なんて書いたらまた雲雀さんに怒られちゃうかな？
あ、そーだ、XANXUS。もし俺に何かあっても、皆に八つ当たりなんてしちゃ駄目だよ！
スクアーロは、声が大きいから周りに迷惑かけないようにね？
あと、XANXUSのDVに負けないで！
ベルは、ところ構わずナイフ使っちゃ駄目だよ？
マーモンはまだいるのかな？あんまりお金に執着し過ぎないように、って伝えてね！
フランくんは骸から不肖の弟子とかって聞いてるけど、骸が弟子に取るくらいなんだもん優秀なんだろうな。会ってみたかった。
ルッスーリア、これからも皆の面倒見のいいお母さんでいてね？
レヴィさん、XANXUSをあんまり困らせちゃ駄目だよ！
最初は、リボーンに言われたからってXANXUSと文通なんて怖かったけど……(ゴメン)。実際やってみたら凄く楽しくて。
仲良くなれて、嬉しかった。
一度、皆ともお茶会やりたかったな。
じゃあね、XANXUS。
これから寒くなるけど、皆風邪引かないでね。あれ？イタリアはそこまで寒くならないんだっけ？……まだまだ勉強足りないみたいだ(笑)。
さよならXANXUS、ヴァリアーの皆。
追伸:この手紙の返信はいらないから！』