大空は悪夢の海に堕ちるか?
□第7夢 集まるは虹
1ページ/3ページ
「ボス、客だ。相手は……ボンゴレ門外顧問のラル=ミルチとかいう赤ん坊だった。あれもアルコバレーノか?」
γは開口一番に、その疑問をぶつけた。
「いえ、あの人はアルコバレーノではないわ。でも……いったいどうして……。……γ、お通しして」
と、アリアは僅かに目を見開いて、飲んでいた紅茶をソーサーに戻した。
「何があったのかしら……」
「さぁね。僕としては会いたくないから、隠れさせてもらうよ」
幼い声がそう告げる。
そしてその数十秒後、扉が開き、ラルが姿を見せた。
中では、アリアが一人でソファーに腰掛け、彼女の前には未だ温かそうな紅茶が。
「……悪いがアリア。頼みがある」
ラルは、その姿を見た早々に頭を下げた。
「頼み?どうしたの?」
いきなりそう告げるラルに驚いたアリアは、座るようにと促して。
「実は……沢田が守護者に裏切られた」
「……どういう事かしら」
その一言で、事態の深刻さを見抜いたアリアの眼光が鋭くなる。
「その話、僕も詳しく聞きたいね」
「っ、バイパー!?」
幻術を解き、姿を見せた霧のアルコバレーノに、ラルは驚きの顔を向け、それから綱吉の件についてを語った。
「……それは、許せないわ。でも私はジッリョネロのボス。冷たいことを言うけれど、貴女の所のボス後継者争いには口を挟む義理も権利もない」
「まぁ、当然だね。……でも、僕はヴァリアーに戻るとするよ。一銭にもならない仕事なんて御免だけど、あの子に関しては別、だからね」
告げるマーモンに頷いてから、ラルはアリアへと向き直る。
「……沢田を裏切った人間の中に、黄のアルコバレーノ、リボーンが含まれているとしてもか?」
「……なんですって?」
アリアの声が鋭く尖り、瞳が剣呑に細められた。
「ちょっとラル=ミルチ。なんの冗談だい?綱吉はあの馬鹿を慕ってたんじゃなかったのかい?」
マーモンは声音に、僅かながら焦燥を含ませて。
「あぁ。だがリボーンの奴は……アゼレードの方を取った。偽りの、沢田を騙した女を信じた」
「本当かい?アゼレードがボスの座を狙っている話は有名だった筈だ。それなのに、あのリボーンがあの女につくなんて」
にわかには信じられない、と言いたげなマーモンに同意するように、アリアが頷き、言葉を発する。
.