十四番目
□拉致
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「コムイさん何ですか?」
「任務さ?」
「うん。実はノアに関する重要な文献があることがわかったんだ。」
「それを取りに行くんさ?」
「そうなんだけど、実はアクマがすでにいるらしい。そこでアレン君にラビの護衛をしてもらいたいんだ。ほら、ラビのイノセンスはまだ直ってないから。」
頷きながらも納得のいかない表情をしていた。
「分かりました。でもなんでイノセンスがないのにラビも行くんですか?危険でしょう?」
「そうさ。なんでさ?」
ラビが聞いた所でコムイが申し訳なさそうにいった。
「その文献はそこから持ち出せないようになってるらしくてね。ラビに”記録”してもらないといけないんだ。」
「そういうことならまかせるさぁ!」
「頼んだよ。あと今回はリンク監査官は外してもらうから。」
「本当ですか?」
「よかったさアレン。さ、行くさ。」
室長室を出ようとすると呼び止められた。
「ラビちょっといいかい?」
「なんさ?コムイ。アレン先行ってて。」
「分かりました。遅れないでくださいね。」
「おう。で、コムイなんさ?」
「うん。実はアレン君と離れて行動しないでほしいんだ。」
「??なんでさ?」
コムイは悲しそうな顔をした。
「アレン君が十四番目かもしれないから。」
「………監視役のやつのかわりか………」
「ごめんね。こんな事させたくないんだけど……」
「仕方ないさ……」
「それじゃよろしく」
「あぁ」
ラビが返事をすると、コムイが短剣を差し出してきた。
「あと護身用に短剣を渡しておくよ。これには、小型の結界装置が埋め込まれているから、LEVEL1なら防げるはずたよ。」
「サンキュー、コムイ。じゃ行ってくるわ。」
「いってらっしゃい。」
「おう!」
ラビが慌ただしく出ていった。
「何も起こらないといいけど……。」
その願いとは裏腹に任務先で悲劇が起きてしまう。