十四番目

□偽装
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―――――ピク

「??どうしたの?」

先程まで何の反応もなかった2人のゴーレムが、いきなりある方向を示すかのように、羽根を動かしていた。

「……あっちか………」

神田が走り出すと先導するようにゴーレムがとんでいく。

「なんで急に……………それもこんな近くで…」

この一週間2人は探し続けていたが、何の反応もゴーレム達は示さなかったのだ。

一度教団に帰ろうと近くの街まで戻って来ていたところでゴーレム達は反応を示した。

初め通った時は何も反応しなかったはずだった。

街のはずれにある森にはいって暫くすると、湖が現れた。

「黒い……方…舟……」

そこには教団が奪った方舟と、対称的な黒い方舟が浮かんでいた。

「こんな近くに伯爵がいたなんて…………」

まさに灯台元暗しというところだった。

ゴーレム達は方舟に近付くと、その周りを回り始めた。

「方舟の中か?」

肯定を示すかのように上下に揺れる。

「チッ………。」

「どうする?神田。」

「どうにかして入るしかねぇだろ……」

神田が六幻を抜こうとすると、方舟が発光しだした。

「な、何?」

光がさらに強くなり、方舟から光の塊が飛んで来た。

それを避け、光が収まるのを待つと、上空にあった筈の方舟は、跡形もなく消えていた。

「…………チッ。」

「神田………。あそこ……………。」

振り向くとそこには、ボロボロになったアレンとラビが横たわっていた。

「アレン君!!ラビ!!」

リナリーが駆け寄るが意識を失っているようだった。

「チッ、運ぶぞ。」

「えぇ。」

この時2人は、アレンの左腕が、普通の手になっている事に気付いていなかった。
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