十四番目
□困惑
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神田は決めかねていた。
「僕は…………貴方の事が好きです。」
その言葉を聞いたあの瞬間。
自分の中に渦巻いていた物がはっきりしてしまったから。
それゆえに珍しく考え込んでいた。
エクソシストしてならば、彼と戦わなくてはならない。
ノアはエクソシストの敵であるのだから。
自分の目的のためにもそうすべきなのはよく分かっている。
しかし……
「ユウ〜〜!」
「!!!………チッ、何しにきやがった」
突然現れたラビに思考を邪魔される。
声がした方に目をやれば、ラビの手に手紙らしきものがあるのが見えた。
「任務が終わって帰る途中だったんだけど、ユウの任務地が近かったから応援にきたんさ〜」
「チッ…用がないならさっさと帰りやがれ!」
六幻をいつでも抜刀できるように構えながら睨めば、勘弁さぁとへらりと笑うラビに少しイライラした。
「そういえばこれ、ファインダーから預かってきたんだけど」
どうやら手紙は神田宛てだったようで、差し出してきた手紙を無言で受け取る。
なにやらラビがお礼ぐらいいったらどうさ〜とか煩いが無視して読みはじめた。
「!!!」
「って、ユウ?どうしたんさ?」
ただならぬ様子を感じたのか、ラビが手紙を覗きこんでくる。
「チッ…なんでもない。とっとと失せろ」
慌てて手紙をくしゃりと握り潰し、宿に向かって歩きはじめる。
「ちょ、ユウ待つさ〜」
そのまま宿まで歩いて部屋に入る。
さらにラビが入ってこないように鍵をかけてから、ベッドに倒れ込んだ。