零崎愛織の人間監査
□第五幕 修行
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「京子、まずは武器を見つけないとね」
ついてきてくれる?そう言いながら愛織が立ち上がると、京子だけでなく綱吉と雲雀も立ち上がり、部屋の奥に4人揃って消えていった。
一番奥の部屋の扉を開けると、部屋の中はまるで武器庫のように所狭しと様々な武器が無造作に置かれていた。
「ここには本当に様々な武器を保管しているの。拳銃なんていう簡単なものから、技術がないと使えないようなものまでね。京子に合うものも必ず見つかるわ」
愛織の言葉に京子はおずおずと進み出、武器を一つ一つ手にとっていく。
綱吉と雲雀も自分の武器の元へ行き、手入れを始める。
「綱吉、久しぶりにやりあおうか?」
「あぁ。幻覚は無しだぜ」
……物騒な会話はスルーしてもらおう。
しばらくして、愛織は京子が一ヶ所から動かなくなった事に気づく。
「京子?」
「へっ?あ、あのなんだかね、これだけ他の武器よりしっくりくるの。上手く言えないんだけど……」
そう言って京子が差し出したのは半月輪だった。
「使ったことなんて無いんだけど……」
「いいんじゃないかしら?まぁ、一回使ってみたら?」
愛織が言うと、京子は覚悟したように頷いた。
「行きましょうか」
「ど、どこへ?」
「こっちよ。地下に修練場があるの。……恭弥、綱吉行くわよ」
「半月輪かい?結構使うのは難しいと思うけど……」
「半月輪!?京子ちゃんがか?」
「やってみなければわからないわよ?」
愛織はイタズラっぽく笑うと自身の武器である鉄扇<氷雪月華>を手に取り、地下室への階段を下っていった。
その後ろには<悪逆慚愧>を持つ綱吉、<残虐悪愧>を持つ雲雀、そして半月輪を持った京子が続いていった。