零崎一賊の休息時間
□哀川麗の零崎邂逅
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「あら、今日って……」
起きてきて、京子の準備した食事を摂っている最中に、愛織がポツリと溢した。
「ん?どうかしたか?」
「何かあった?」
双子の彼等が不思議そうに問いかけ、愛織は慌てて首を振る。
「ううん、何でもないわ。ちょっと思い出しただけ」
「思い出したって……何を?」
京子が首をかしげると、空識と雲雀も聞きたいと言わんばかりに頷く。
「本当に大したことないのよ?……あのね、思い出しただけよ。今日は私が零崎に覚醒した日だって」
愛織は何でもないことのように言うが、空識達にしてみれば驚くべき話で。
「その話、俺詳しく聴きたい」
「私も!」
「興味あるね」
「え?え、え?本当に面白くもない話よ?聞いてもつまらないと思うわ。
……それでいいなら、話してもいいけど」
期待に満ちたキラキラと輝く目を見て、最後の言葉を付け加えると、案の定3人は更に身を乗り出して。
「本当に、面白くないからね?
……何度目かの日本。私が11になったばかりの話よ。
私は潤ちゃんと離れて動いていたの……」
そう前置きして、愛織の昔話は始まった。
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