十四番目
□儀式
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神田とリナリーは、その後合流し教団に戻って来たところだった。
報告書をだしに室長室にくると、コムイが寝ていた。
「チッ」
神田は舌打ちすると、
「リナリーとラビが結婚しちまうぞ」
と耳元でささやく。
「リィナァリィィィィィィィィ結婚なんてお兄ちゃんが許さないぞぉぉぉぉ」
「黙りやがれ、コムイ」
首元に六幻をぴたりとつけられて、やっと黙ったコムイは神田の不機嫌さに恐怖した。
「どうしたんだい?神田君、リナリーも怖い顔して。」
「どうしたんだい?じゃないわよ!!なんでラビに他に任務いれたのかしら?にぃさん?いれない約束だったわよね?」
リナリーの言葉にコムイは困惑した。
「なんの事だい?ラビに他の任務を言い渡してはいないはずだよ?」
「確かにラビが言ったんだが?」
神田が六幻を当てたまま言う。
「確かにラビが言ったんだね?」
「あぁ」
コムイは少し考え込み、口を開く。
「ノアの所、かもしれない」
「どういう事?」
「推測に過ぎないんだけど、ラビの所にノアがいたんだと思う。で、いなくなった。」
「それだったら任務と偽って消える必要ねぇだろ」
「さらわれたか、付いていくしかなかったか。いずれにしても、いい状況ではないね」
「……そんな…ラビまで………」
リナリーが崩れ落ちてしまった。
「君達はアレン君の捜索そしてラビの捜索もしてもらおうと思う。」
「あぁ」
「あと、これを持って行って。」
それは銀色のティムキャンピーに似たゴーレムだった。
「実は君達に渡したイヤフォンには発信機に似たものが内蔵されててね。このゴーレムはそれに反応して誘導してくれるんだ。ちなみにモデルはティムで、名前は決まってないからすきにつけていいよ。神田君は緋いほうね。」
するとどこからか緋に輝くゴーレムがでてくる。
そして、それぞれの肩にとまった。
「止まってなんかいられない………。行こう!!神田!」
「あぁ」
立ち上がったリナリーの瞳には決意の光が宿っていた。
「いってらっしゃい……」
走り去って行った後には申し訳なさそうなコムイが立っていた。