第一部:啓いた光

□第二十一話
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「先生、僕はいつか先生のような立派な人間になりたいです」




昔の俺がそう言えば、その人は薄く笑う。繋いだ手は大きくて、温かくて。ほっとする。そんな人だった。








「小太郎は真面目で勉強熱心ですね。でも少しは羽目を外してもいいのですよ」



先生。あの時、俺が両親に勉強を強いられていたのを知っていたんですか?
だから、あんなことを言ってくれたんですか?
















いつも優しそうに笑う先生が好きで仕方なかった。







両親には素直に甘えることなんてできなかったのに、先生にならできた。







いつまでも一緒にいてくれる…そう思っていたんだ。あの時は。












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