第一部:啓いた光
□第二十一話
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幼少の頃は、いつも俺達三人は一緒だったが、喧嘩もまたしかり。
いつもいつも、銀時はあのあだ名で呼ぶので俺はいつも怒鳴らなければならなかった。
そして、それを止めるのもまたお決まりの人物で。
「銀時。人の嫌がることはしてはいけません。自分が嫌な気持ちになることを知っているなら、尚更ですよ。銀時だって、天パのことを言われるのは嫌でしょう」
そうやって、先生はいつも優しく諭してくれる。
ちゃんと理由を伝え、善悪を教えてくれていたのに。
…貴方がいなくなってから、俺は随分長いことそれに気がつかなかったんです。
「人の幸せを願い、共に喜び、人の不幸を哀しむことのできる人になりなさい。それが人間にとって、一番大切なことだからね」
貴方はそう教えてくるたのに。
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