bluerabbit

bluerabbit
1ページ/4ページ


嵐の前の静けさとはよく言ったものだ。
静かに静かに悪魔は根を張り出した。






「な…何!?どっどう言う事ですか!!副隊長!!」




早朝の隊舎を張り詰めた声が支配した。
小鳥の囀りが少し疎ましく感じた。


背向く恋次に怒鳴る



「この事実は隊長に報告させてもらうからな」



「そっそんなぁ……私は、昨日……は、まっすぐ…」

「言い訳は見苦しいぜ」



恋次が振り返ると予想もしない表情の千代が居た


それは声は泣きそうな声だった筈なのに千代は、ニヤリと口元を緩め冷ややかな瞳をしていた。



「そうですね、では朽木隊長にご報告して下さい」


ですが、と呟く

ドキンと恋次の心臓が跳ねる





「後悔しますよ?私を…裏切った……いぇ信じなかった事を…」




「何の話しだ、大体昔から火の無いとこには煙は立たないって言うだろ」


「その火は本当に私が付けたのかしら?」






ドクンと再度心臓が跳ねる。
答えられない自分と、千代の威圧に堪えられない。


「ねぇ恋次…もぇ姫ちゃん?…………本当に私が壊そうか?」

悪魔で優しく問う



「精神崩壊するまでぐちゃぐちゃにしてやるか?皆の姫を」

静けさの中、恐怖に言葉を無くす恋次。当たり前だ恋次の知らない千代。
高笑いする彼女。

そうして一つ間があく。


「ねぇ此処で悲鳴あげたらきっと恋次疑われるね」




「俺はなにもしていないだろ」


「それは本当に通じるの?例え、泣きながら副隊長に犯されそうになったって言っても?」

「なっ………嘘はいつかばれる」


「裏切りそして噂。嘘はいつかばれる……ね。恋次、覚えておきな。
裏切りと噂はその人を蝕み醜くする存在だという事を」




千代が目を細目、表情がわからない。
そこに静かに綺麗な優雅な声が並べられる。

「…………千代?」

「あ、朽木隊長!おはようございます!」

朽木の声に千代は、今気付いたという表情をしてぺこりと頭を下げる。
いつも通りな千代。
恋次も吊られて挨拶をする


「朽木隊長!お爺からです」



懐から文を取り渡せば、溜め息をつきながら千代を見る。
それは何かを見兼ねた様子だった。

「あぁ、書類が終わり次第顔を出せ」

「はい!」


「あの、朽木隊長お話しがあります」




恋次と、朽木はそう言い隊主室に入っていく。
恋次は視線だけ千代に置いていた。

ニヤつきが止まらない。



話しは聞いていた。


萌黄がアタシの評判を落とそうと無茶苦茶な事を言って居る事は知っていた


恋次はどうやらそれを聞き騙されている様だった。




ターゲットはアタシか
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ