bluerabbit

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白い花が舞った。




それはふわり、ふわり




私の身体を退けるように








私を失望した目で見ていた











「千代…話しがある……」





「見ていた……んですね」





残酷に千代は聞いた。まっすぐ見つめる左右違う瞳は輝かず、疑いだけ。瞳に残していた。


「……」


「あ、すみません。いぃですなんでもありません」


照れた様に小さく肩をすくめ、白哉の横を通った。
真っ赤に腫れた頬。



「恋次………」




驚きながら返事をする。
話し掛けられると思って居なかったんだろう。


彼女の洞察力を彼等は甘く見ていた。





「あやつに貴様が…手を挙げるのは許さぬ」





冷たい視線を置き去りに恋次の前から去る。
詰所通りの足音が煩かった。ただ無償に白哉に感謝した。

これ以上あいつを傷つけなくてすむ。


そんな矛盾した気持ちに涙が出そうだった。












部屋にはエメラルドグリーンの髪の毛を後ろで纏め留めている女の子が座っていた。

千代が入りパタンと戸が閉まる。と同時に影がかかる。後ろには白哉が居たのだ。


女は飛び付く様に抱き着いてくる。

「千代様ぁ〜寂しかったです〜」


「今朝家で会っただろう…全く」




千代はそういいながらも嬉しそうに由菜の背中を撫でる。

白哉は、それをほほえましいげに見る。
千代がそっと奏でる様に口を開く。綺麗な音で…




「さて、白哉……何処から説明してもらおうか?」







裏切り



腹の探り合い






本当は信じたい





優しい貴方を



私は知っているよ
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