日和部屋
□深夜の悪戯
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さすがに起きただろうと思ったが、実際は少し違った。
「ぁ…っ何か、変…。身体も重いし…ってあれ?曽良くんがいない…。」
「あんた、天性の馬鹿ですね」
あきれ返った曽良は自分から布団を剥いだ。
乱れたままの芭蕉は自分の身体の上に乗っかっている曽良と目が合った。
しばらく部屋の中に絶叫がこだま
した。
「だまらっしゃい!!」
「ゲフッ!!!な、なんで曽良くんが私の布団の中に!?」
「眠れなかったんで」
「眠れなくて師匠の寝込みを襲う弟子が何処にいんの!!?」
「ここにいますけど」
「このエロ弟子!!」
芭蕉は真っ赤になって上に乗る曽良の頭をポカポカと叩く。
「あぁ〜…びっくりしすぎて松尾眠れなくなっちゃったよ」
「それは好都合ですね」
そう言うと曽良は未だ張り詰めた
自身を芭蕉の大腿に押し付けた。
「ギャッ!!き、君…いつもの事ながら立ち過ぎだってば…」
驚いて身を竦ませる芭蕉に曽良は平然と言い放つ。
「あんたのせいですよ。責任とってください」
「自分が勝手にしたくせにこの自己中!!」
芭蕉が曽良に言いたかった罵詈雑言は接吻の中に消えていった。