日和部屋
□師匠の鞄の中身
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今夜は早く休みたいと芭蕉は曽良よりはやく床についた。
何もする事がなく、暇な曽良は芭蕉が寝ているのをいい事にマーフィー君のくっついている鞄に手を伸ばす。
芭蕉を起こさないようにそっと鞄を開ける。
「…ん?」
財布、筆や半紙など俳句を書くときに使う道具の他に、曽良は良からぬモノを見付けてしまった。
「…あんたって人は…」
奥を探ると、潤滑剤らしき怪しげな瓶をいくつか見つけた。
それの一つには苺がプリントされているモノもあった。開けてみると、苺の甘い香りがする。
「?…これは…」
小物に隠れるようにピンク色の奇妙なモノが目についた。
摘み上げてみると、小さな卵型の物体がコードに繋がっていて、その先に電源らしきリモコンが繋がっている。
「こんなモノ…何処で…?」
明らかに性玩具と分かるそれを普段持ち歩いている芭蕉に曽良は少し驚いた。
ふと、芭蕉がタイミング悪く目を覚ました。
「…あー!何やってんの君ィ!!」
「…起きてしまいましたか」
「な、何見てんの!?か、返して…っ////」
曽良の手にある性玩具を認め、芭蕉は慌てて取り返そうとする。
「…こんなモノ買って…相変わらずいやらしい人ですね」
「ち、違うんだよ!それはおまけで付いてきただけなんだよぉ!!」
必死に弁解する芭蕉を曽良は冷めた目で見つめていた。