日和部屋

□甘味三昧
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「芭蕉さん」
「ぁ、曽良くん!何かいい物買えた?」

買い物に出ていた曽良が帰ってきて、宿の部屋で休んでいた芭蕉の表情が明るくなった。

「えぇ、貴方が好きそうなものを見つけてきました。」

嬉しそうな芭蕉に笑いかけると、膳の上に大きな紙包みを置く。

「本当?開けてもいい??」

好きそうなものと聞いて目を輝かせた芭蕉は子供のように曽良を見上げる。

「えぇ」
「えへへ、何だろ…ぁ、お菓子だ!!」

ガサゴソと紙袋から一つ一つ取り出しては膳の上に乗せていく。

「こんなにいっぱい…どうして?」
「…安かったんで」

そっぽを向いたまま曽良は答える。

「もしかして…私のために…?」
「僕、甘い物は苦手なんで…どうぞ」
「ありがとう!!」

膳に置いてある菓子の中には外国で売られているチョコレートとかカステラとかもあった。
芭蕉はどれから食べようかと悩んでしまう。
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