日和部屋
□雨の日
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「でも…少しは元気出たかな?」
芭蕉はマーフィーを抱き締めながら曽良を見上げる。
「えぇ、まぁ」
それに無表情で答えた曽良はまた外を眺める。
その頬に芭蕉の手が添えられ、顔をこちらに向けられる。
「もう外を見るのはやめようよ…気が重くなるだけだよ」
「そうですね…では」
曽良の頬に添えられた芭蕉の手を取ると、床に押し倒して、足を開かせて間に割り入る。
「ぇ…曽良くん?」
「貴方を見る事にしますよ」
「な、何でそうな…っ!んぁ…っ」
抵抗を見せる芭蕉を難なく制すると、強引に口付ける。曽良の舌が芭蕉の舌を捕らえる前に、芭蕉は珍しく自分から舌を差し出す。
「芭蕉さん…今自分から絡めてきましたね」
「ち、違っ…!ちょ、待ってよ曽良くん…っ」
「五月蝿いですね…声帯を取ってしまいますよ」
着物をはだけさせただけで騒ぐ芭蕉の細い首を指先でなぞりながら曽良は言った。
「と、取らんといて!曽良くんが言うと冗談に聞こえなくて松尾怖いよ!!」
尚も芭蕉の喉をなぞる曽良の手を退けようと、その手を掴む。
だが、掴んだ手を曽良によって床に押さえ付けられる。
「へっ!?…今度は何を…っ…!」
戸惑う芭蕉を無視して曽良は顔を近付けると、喉に舌を這わせる。
「ぃ…っな、何…、痛っ!」
曽良の口唇が鎖骨の辺りに移動して、所有の跡を刻む。
「…これくらい痛くないでしょう?大袈裟なジジイですね」
「1日に何回ジジイと言ったら気が済むんだ君はー!」
「黙りなさい。色気も何もないジジイですね全く…」
「ぁー!また言ったなこの弟子男!!」
ぎゃいぎゃい騒ぐ芭蕉を黙らせようと曽良は胸の突起を甘噛みする。
「ゃ…っ不意打ちなんて、狡いよ…っぁ、ゃ…っ」
もう片方も親指で押し潰して刺激してやると、芭蕉は感じきった声をあげる。