トラッシュ

□肝試し 総一
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 島の最奥の寺に、一騎・総士・真矢・剣司・咲良・衛・カノンの7人が集まっていた。集合をかけたのは真矢だった。
「遠見。皆を集めて何をするんだ?」
一騎が問うの然りで、今は夜零時。辺りは真っ暗。
「ふっふっふ……。一騎くん、よくぞ訊いてくれました。今から、第1回『えーっ、本物が出たらどーしよーっっ!! いや、幽霊なんて現世にはいないさスペシャル、チキチキ肝試し大会!!』をしまーっす!!」
皆が一瞬引く。
「…遠見が壊れた…」
壊れたと言われた本人は、お構いなしに話を続ける。
「2人1ペアになって、このお寺のお堂にある紙風船を取ってきてくださーーーい」
と、その時。カノンが疑問を口にした。
「ペアはどう決めるんだ?」
すると真矢は腰に手をあて、もう片方の指を立て左右にチッチッチと振り、
「くじ引きしまーす♪」
と、唐突に何処からか箱を出した。
「ほら、早く引いて引いて!」
皆ぞろぞろと箱から1枚すつ紙を手にする。
「では開いて。同じ数字が書かれていた人同士がペアだよ」
「俺、2だぜ」
剣司が大声で叫ぶと。
「あ、あたしも2だ…」
咲良もおずおずと前に出る。
「は−い、じゃあ近藤くんと咲良が2番目に出発するメンバーね♪」
真矢はご機嫌だ。
「わたしは1だ」
「あ、僕も」
カノン・小楯くんペアは1番目出発〜☆、と真矢が騒いでいる隣で、自動的に決定した一騎・総士ペアが固まっている。
「あれえぇぇ〜? 最後に残ったのは一騎くんと皆城くんかぁ。良かったねぇ。えへへへへへ……」
2人の手には、同じ“3”と書かれた紙が握られている。
皆が意味深な視線を向けてくるので一騎は総士に問いかける。
「皆、何こっちを見てるんだろうな」
「…コホン。気にするな」
「あ、でも頑張ろうな。総士となら何でも出来る気がする」
満面の笑みを浮かべる一騎に、総士は慌ててそっぽを向く。
その口には堪えきれない笑みが浮かんでいる。
あんなに可愛い笑顔を見せられては、いつ理性が吹っ飛んでもおかしくはない…。
「はい皆城くん落ち着いてー。では。1番目スタート!!」




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