第二書庫

□やるときゃやるのよ
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日本の富士山の如く積み上がった書類達を片付けてコーヒーでも飲もうかと部屋から出たのが間違いだった

書類を片付けたのが間違いだったのではなく、
部屋から、
執務室から出た事が間違いなのであって、



この後あんなことになってしまう原因になってしまうなんて誰が想像するだろうか










「おい、」

「……今忙しいから」

「…へぇー、狸親父からいただいた書類に落書きするのに忙しいってか?」

「うるっさいな!忙しいって言ってるだろ!」


バシン

机に手のひらを叩きつけたときに傍らにあった書類がフワリと舞った


「何をそんなに怒ってんだ」

「…リボーンには関係ない」


落下した書類を手にとってもとの場所に戻す


「仕事お疲れ様、休みに入っていいよ」

「…は?
お前は休まねぇのか?」

「……仲の良い愛人方に会われたらよろしいかと思いますが、リボーン先生」


黒の人には目もくれず、綱吉は何か書いてある紙を紙飛行機にすると黒の人とは反対を向いて窓から見える青空に放った


「……ツナ、俺が何かしたか?」

「何って?」


綱吉はフン、とそっぽを向いて上質なソファーに腰かける


「………ツナ」


どこか思い詰めたような恋人の表情を見てみぬふりなど出来るはずもなく、


「綱吉、不機嫌な理由を教えてくれないか」

「………オレだってさぁ…」

「あ?」


リボーンの言葉にボソリと反応を返す綱吉



「オレだって、嫉妬くらいするんだよ!!
悪いか!!」


ソファーのクッションをリボーンに投げる


「何の話かさっぱりわかんねぇ」


クッションを受け止めて投げかえす


「………いくら女性に優しく、をリボーンが大切にしてると言えども、
……恋人はオレだ…」


綱吉はクッションを抱きしめると顔を伏せた

「どうしてオレだけを見ててくれないんだよぉ…」

「!」


ずずっと鼻をすする音がする


「ツナ」

「……ぅ」

「ごめんな、ツナ」

「…リボー、ン…」

「悪かったな、寂しい思いをさせた」


涙でぐしゃぐしゃになってしまった綱吉をぎゅうと抱きしめ、流れる涙を唇で吸い取る


「綱吉、愛してる」

「…ばか…」


リボーンの大きな背中に綱吉の細い腕が躊躇いがちにまわされた








オレだってやるときゃやるの!



(見ちゃったんだ、リボーンに女の人が、抱き着いてたとこ)
(…ツナ、激しく誤解しているようだがあれはたまたま転びそうだったから助けただけであって…)
(…そうとわかってても嫉妬したんだ!!悪いかー!!)
((なんだこの可愛い生き物))






終わり

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