NARUTO
□帰り道
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「・・・あー!もうおでんもやってるよコテっちゃんー!」
ふとそんな彼女の声に、ひときわ明るく蛍光灯の光るコンビニに視線を向けた。
『おでんはじめました』
そんなのぼりの横のドア、出てきた客と共にふわりと鼻腔に届く暖かなおでんの香り。
「あーー、俺そういやこの季節、酒飲んだシメはいつもおでんって決めてるんスよ」
っつーかおでんが好きなだけなんスけど、
そう思わずこぼした俺を見上げた彼女が、ものすごくいいことを思いついたかのように
顔をぱあぁ、と輝かせた。
「ど、どうしたんスか先輩?」
あまりの輝きように見惚れ、いや、たじろいだ俺にずい、と近寄って。
「食べたい!!!食べようよおでん!買ってこうよ!!」
わくわくと縮めていた肩を躍らせて、
今にも煌々と明るい店内へ入ろうとする彼女の背中に声をかけた。
「い、いいっスけど・・買ってどこで食べるんスか?」
屋台のおでんならともかく。
コンビニはその場では食べられないし。
「あ・・・」
一気に踊っていた肩を落とした。
悪いこと言っちまったかな、でも本当のことだし・・・
な、ならどっかで食べるか?
公園なら寒ィけどベンチもあるし、
それとも屋台を探すか?
でもいつも通い詰めたお気に入りの屋台のおっちゃんは確か、今体調崩して休業中だ。
どうすっか・・・
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