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□いつか帰りますから十代目!
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「隼人、コーヒー頼む」

「…ああ」


ボンゴレ初代の部屋に、俺は居た。

本来ならボンゴレ十代目と共に居るはずだが、数日前、アホ牛の10年バズーカの故障か何かで過去に飛ばされたらしい。

しかも運悪く、俺だけに当たった。

それから5分たっても元の時代に戻れず、早く帰りたいが方法がなかなか見つからない。

そして困ってる俺を助けたのがこの男、ボンゴレ初代――ジョットだ。今はこの時代のボンゴレのアジトで生活している。


「ほらよ」

「…もっと丁寧に置けないのか」

「文句言うなら自分でやれ」

「……」

俺がいれたコーヒーを飲む姿は上品で、皮肉にも綺麗だと思ってしまう。


「……隼人…」

「…あ?」

ふいにジョットの動きが止まった。
カップを持ったまま俯いて、ふるふると震えている。

「……隼人…」

「だから何なんだよ」

「……ゴ」

「は?」

がばっと顔を上げて俺を見るジョット。
目には涙を浮かべている。


「ゴキブリィィィァァア!!!!」

「うおあ!?」

叫びながら俺の後ろに隠れた。
ちょ、やめろ!
涙と鼻水で冷てえよ!!

「おおお俺、無理!ゴキブリ無理!!ボンゴレファミリーのボスでも、さすがにあれは無理だ!!見てみろぉ、あの黒光りしたフォルム…気持ち悪い!!」

「うっせえな。ただのゴキブリ一匹で泣いてんじゃねえよ!死ぬ気の炎で凍らせればいいだろ」

「嫌だァァァ!あんな物体に俺の手袋ォォォ!!」


…グローブだろ。

内心ツッコミつつ、渋々と殺虫剤でゴキブリを仕留める。
動かなくなったそれを片付けながら、部屋の隅で縮こまっているジョットを横目で見る。

普段からこんなヘタレなそいつ。だからこそベットの中……情事中に見せる雄の顔にドギマギしてしまう訳で。

……いやいやいやいや、何考えてるんだ俺は。


ジョットから目線を逸らし、溜息をつく。
そしてもう一度あいつを見ると、目を潤ませながら見返してくる。


そんなこいつと、もう少し居たいと思う俺は末期なのだろうか…


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