創作

□紙幣勢力図
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「ナツメくん、小テスト…2点……??

夏目台漱石と書かれたその一枚の紙にはびっしり埋まった英単語と無数のバツ印。

日番の彼女、樋口和葉ちゃんは何の気無しに口にしたのであろう。

話し掛けてもらったことが嬉しくて忘れかけていたが僕に関しては…2点だ。


『まあ…英語は…ね、』
というと和葉ちゃんは微笑みとも苦笑ともとれる表情を見せて席に戻った。
………だめだ。
また何も話せなかった…



「ナツメ〜2点かよっ」
いつの間に現れたのか、
『君には関係ないだろ』
目の前のボーイッシュな幼なじみ(♀)は
野々口英世
和葉ちゃんとは上品さが違う。
「ま、アタシは0点だったけど」
英世は小学生のころは賢かったのだが……
いや、僕も人のことは言えない。

「樋口さんね、」
英世の口から彼女の名前が出たことに驚いて
つい身を乗り出してしまった。
『何』
少し鼻で笑いながら英世は隣の椅子に座った。
「高嶺の花だろ、ナツメには」
分かってるよ…
『厭味を言いに来たのかい?』
「競争率高いよね」
『………』
「賢いし」
『………』
「部活でも大活躍みたいだし」
『………』
「アタシとは大違い」
『ああ、真逆だ』
あまりにもボロクソに言うから僕は苛立っていた。
「オススメよ?」
『は??ああ…は??』

違和感。

ばんっっ
英世は両手で思い切り机を叩いた。
その音に反応してびくつく自分が少し恥ずかしい。
「ばーか」
そう吐き捨てて英世は、乱暴に椅子をしまい立ち去った。
しかしその顔は悪戯な笑みに満ちていた。


紙幣勢力図

昔から英世には勝てない
そして、
あれは兄貴だ。



(どうしたの?ニヤニヤして。)
(か、和葉ちゃんっ)




ーーーーーーーーーー

だあああああっ
駄作だあ

これはここにいれるか迷った
あら?

もう無茶苦茶!

こんなワタスですが
今年もよろしくお願いしますm(__)m



博瀬。


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