OP

□青雉とその子
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『あー…お茶うまー…』

「ちょっと、トレニアちゃん?おれがやる気になってる時に何呑気にお茶なんか飲んじゃってんのよ」

『いいじゃないですかー、クザンさん。知ってます?大将のお茶っ葉と中将から下のお茶っ葉て違うんですよ?』

「いや、だからそれおれのお茶じゃない?」

『まっ細かいことは気にしない方向で!!!』


人が仕事をしている横で堂々とサボっているトレニアちゃんは「あー美味い。」と出されたお茶菓子を食べて締まりのない顔をしてる。

だからそれおれのでしょ。という言葉はため息と一緒に大気の中へ消えて行った。

そんなおれの憂鬱なんてお構いなしに、結局おれのお茶を飲みほしたトレニアちゃんは、ご馳走さまでしたと飛び切りの笑顔で手を合わせた。


「んで…おれのお茶は?」

『え?飲みたいんですか?』

「…うん、飲みたいねぇ…」

『仕方ないなぁー…』


仕方ないってなにさ。大将のお茶勝手に飲むのお前とガープさんぐらいだよ、本当。

奇妙な鼻歌を歌いながらお茶を淹れた自由人はどうぞ。といっておれの前にお茶を置いた。


「ほんと良い度胸してるよねぇ…トレニアちゃんは」

「度胸っていうか慣れですよね、もう。」

『慣れ。ねぇ…』


慣れとは恐ろしいものだ。おれはトレニアちゃんが先程淹れてくれた湯飲みに口をつけながら心底そう思った。

彼女の仕事はちょっと特殊だ。普通の海兵ならば何処かに派遣されて海賊と戦ったり、市民の安全を守ったりするんだけど、トレニアちゃんの場合監視。が主な仕事内容。

なにを監視しているのかと言うと主に七武海や頭角を表してる後々ルーキーと呼ばれるであろう海賊の監視。それと俺達大将がやりすぎないようにの監視。いわばお目つけ役なのだ。

そんな仕事をしているからこうなったのか、もともとこんな性格だったからなのか(恐らく後者)…トレニアちゃんはおれの部屋でこうして傍若無人にお茶を飲んでいたのである。


「っていうか年頃の女の子は普通こう言うオッサンとの関節キスとか嫌がるもんじゃないの?」


もともとおれのために用意されたお茶を飲んで居たのも問題だが、それをわけなく普通に手渡すんだから大問題だ。

まぁ、普通の子は上官のお茶飲まないけどね。


『え?そう?気にしたことないからなぁ…』

「(スモーカーが見たら憤死するだろうな…)」


はぁ…と溜め息をつけば幸せが逃げますよ。なんてカワイイ顔で言うもんだからもうどうでも良くなっておれは残っていたお茶を一気に飲み干した。







(あっつ!?)
(あーあーもう、クザンさんってば子供なんだからー)
(……)
 

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