みるふぃーゆ
□Good good morning
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寝顔、
洗濯機、
パンケーキ、
そして、君。
[Good good morning]
ぱちりと目を開ければ、
明るい世界がおはようございますと私を迎えた。
雀の声や隣の家の人がゴミを出す音とかが聞こえてくる中、私はうーんと伸びをする。
「…ありゃ?」
ふと隣を見ると、少し身体を丸めてすやすや寝息を立てている大きな猫を発見。
確か、昨日寝る前はいなかった筈なんだけど。
「シカマル?」
「…んー…」
覗き込んだ顔はいつものムスッとした表情ではなく、眉間に皺一つ無い安らかで可愛い寝顔。
そんな寝顔で寝ているシカマルの額に思わずキスを一つ落としてから、私はベッドから静かに抜け出した。
「あ、脱ぎっぱなし…」
ベッドから降りた私の足にぐしゃと無惨にも踏みつけられたのは、土で汚れているベスト。
昨日、
シカマルが頑張った証。
私はそれから足を退かして拾い上げると、仲良く一緒に洗面所に向かった。
ベストを私のパジャマと一緒に洗濯機へ入れて、魔法の白い粉をかけてからスイッチON。
ぐるぐる回る洗濯機の中でしっかり絡み合うベストとパジャマは、私とシカマルみたい。
顔を洗って髪をとかして、お気に入りの苺味の歯磨き粉で歯を磨いたら、いつもの私の出来上がり。
さて次はご飯を作ろう。
私と、
寝ぼすけ猫さんの分。
「よ、っと」
お見事空中一回転。
空を舞ったパンケーキは熱々のフライパンのステージに見事着地成功。
近くで見ていた蜂蜜と苺ジャムからも、わあわあと歓声が上がってる。
「えーと、後は…」
三枚焼いたパンケーキの内、蜂蜜だけかけたのは二枚。苺ジャムと蜂蜜をかけたのは一枚。
どっちがどっちのか、
分かるかな?
テーブルを拭いてお皿を並べて、色違いのコップに牛乳を注いだら準備完了。
と、同時に寝室のドアが開いて、まだ眠そうなシカマルが頭を掻きながらやって来た。
「おはよ、シカマル」
「…ん、おはよ」
私の挨拶に、
シカマルはいつも優しく微笑んで返してくれる。
その微笑みで、
私の朝は本当に始まるのです。
(さ、今日も一日頑張りましょうか)
end.
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朝から仲良し。
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