短編小説

□また君に逢えたら
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俺はその2つの情報が関連性を持ってないと考えないほどバカではない。
「まじかよ…」
「あくまでも推測よ。そうと決まったわけじゃ…」
「もしそうだとしたら…」
胸から憎しみが込みあげてくる。
「生きてたとしても絶望的じゃねーかよ!!」
「だからまだそうと決まったわけじゃ…」
「意味わかんねぇ!宝条んところ行ってやる!」
扉向かって歩き出した俺の手をシスネが引き留めた。
「やめなさい!!」
「じゃあ、目撃情報があった場所を教えてくれ!」
「もし教えたらあなた飛んでいくでしょう!しかも秘密事項よ!すこし頭を冷やしなさい!」
その一言で頭に登っていた血の気がサッと引いた。
「ごめん…」
「大人になったと思ったら、まだまだ子供ね」
そう言うと掴んでいた俺の手をゆっくり離した。
反論しようとしたが、言葉が見付からず言い淀んでしまった。
「大丈夫よ。私が行くことになってるから、心配しないで」
シスネは優しく微笑んで、俺から離れ玄関に行った。
「それから、その場所にあるバイク、整備しといて」
そしてじゃあね、と言い部屋からでていった。


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