短編小説

□まるで天使の
1ページ/1ページ


惑星ズルヴァーンに到着した二人の騎士は飛行艇を森林の中に隠し、近くの都市へ向かっていた。
「しかし、未開の惑星にまで戦争を持ち込むとは…、まったくくだらないな」
「元老院の人たちが聞いたら憤慨しそうな発言ですね、マスター」
「おうおうにして、戦地で戦う兵士の意見は埋もれてしまうものさ。元老院の耳にも届かない」
シリルとその師クワリースはローブを翻し、道なき道を歩く。森林こそまだ戦場になっていないものの、この小さな惑星裏側では連邦軍と帝国軍のこ競り合いが続いていた。
「マスター。もう少しですね」
「うむ、気を抜くなよ」
すると森林が急に拓け、眼下に巨大なクレーターが出現した。そのクレーターには一つの工場があった。
「ここどうやって降ります?」
「いっそ飛び降りてみたらどうだね」
「マスターではありませんので、1キロほどの高さは、ハンバーグになるのがオチでしょう」
「ふむ、そうか」
弱い40歳の騎士は手をその髭にあて困った顔をする。
「どうやら階段とうもないようです。乗り物で直接行くことを前提とした建物のようですね」
「確かに私はできる。しかし君に出来ないこともないと思うが。試してみる気はないかね?」
話が噛み合わないかったが仕方がない。よくあることである。
「空中戦で戦艦の上を飛び渡って敵陣に乗り込んだ人と同じにしないでください」
「いやいや、やってみないと案外わからないものだよ」
「宇宙戦で一人で敵艦隊を殲滅した人と一緒にしないでください」
シリルは密かに溜め息ををつく。隣に立っている人は先の戦乱で活躍した大将軍だ。一人で戦艦同等の力を持つといわれるギルドのメンバーの中でも、一際飛び抜けている存在。そしてシリルの師である。
「無理だ無理だと言っては何も始まらない。力の底が知れてしまう。能力はみんな同じだ。それをどう活用、どう生かすかで差がでるんだ」
クワリースはそう言って崖の上から下を見下ろす。
つられてシリルが見下ろすと、クワリースはシリルのローブの裾を引っ張り崖から落とした。
「え…?えええぇぇぇぇぇぇぇええ!!!」
全身を巡る浮遊感、突き刺さる冷たい風、迫る地面。
(落ち着け!落ち着け!落ち着け!)
シリルは自分にそう言い聞かせる。
地面までもう少しというところでシリルは体を一回転させ、ドシンと着地した。
その隣をクワリースがスタンと着地する。
「やれば出来るじゃないか」
「そうですね」
シリルは額に青筋を浮かべながら答える。
この師匠についていては命がいくつあっても足りない…。
「さぁ、敵首脳陣に戦争を止めるよう、直接交渉しに行こうじゃないか」
まるで、なにもなかったかのようにクワリースは続ける。
「…そうですね」
不承不承にシリルは返事をする。
──しかたがない。こういう人だと知っていて、選んだのは自分なのだから。

クワリースは歩きながら長刀風のビームセイバーを出現させる。
シリルはその半歩後ろで拳銃型の光線銃を二丁構える。
「作戦開始」






生きる伝説













(イメージ、スター○ォーズのパクリ。ぶっちゃけ適当。
これだけじゃあんまし意味分からないと思うけど、だからどうこうって説明はない)


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ