□恋愛偏差値32
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「ねぇねぇ、スコール?」


「なんだよ。」


「あの二人、どう思う?」


ガーデン内。ラウンジの隅で仲良くお茶をしているスコールとリノア。彼女が楽しそうに見つめる先にスコールも視線を向けると、そこにはたくさんの学生がいる中際立つ一組の男女が居た。


「だからゼルには言いたくなかったのに〜!」


「ばーかっ勝手に口すべらせたのはお前だろ?」


「そんなことないよ〜!!!ゼルが言わせたの!!あ…スコールとリノアだ〜。」


仲良く隣を歩きながら会話するゼルとセルフィは、ふと友人の姿を見つけて笑顔で近寄ってくる。それに応えるようにリノアもにこにこ笑って手を振った。


「おーおー、相変わらず熱いなお二人さん!」


「なにがだ…」


「ゼル、その発言オヤジよ?」


「ほんとほんと〜!」


リノアとセルフィにそう言われ、うるせーっとふてくされるゼルの隣ではスコールが呆れたような表情を浮かべている。リノアはにやっと笑ってゼルの顔を覗きこんだ。


「ね、何の話してたの?」


「あ?こいつがさ…」


「ちょっとゼル〜!!!!言わないでって約束したじゃん〜!!!」


指を指しながら笑うゼルの口を顔を真っ赤にして塞ぐセルフィ。どうやら二人だけの秘密らしい。セルフィがここまで動揺するのはあまりないことなので気にはなるが、それよりももっと気になることがリノアにはある。柔らかい笑顔を崩さないまま、黙って二人を見つめていた。


「あ〜あ、ゼルのせいでおなかすいちゃった〜。ちょっとパン買ってくるから待ってて〜!」


「おいおい、まだ食うのかよ。」


カウンターのほうへ走っていったセルフィに突っ込みを入れながらもその表情は優しげなゼル。リノアがニヤリと笑みの種類を変えたのを、スコールは見逃さなかった。


「ねぇねぇゼル?セルフィのこと、どう思ってるの?」


「あ?どうって?」


「だからぁ!!好き?」


「ああ、好きだよ。」


あっさりと応えるゼルに拍子抜けしたリノアはがくっと腕を崩してしまった。まさかこんなにあっけらかんと応えてくれるとは思っていなかった。端から見ていれば好き合っているのは明らかな二人だが、本人達に自覚がないから先に進展していないとばかり思っていたのだ。


「な、なんだ…あたしてっきり自覚ないかと…」


「あ?友達なんだから好きに決まってんだろ?」


「……はい?」


友達?


この言葉にはさすがのスコールも身を乗り出した。リノアと顔を見合わせて大きく溜息をつく。


「なんだよ、どうしたんだよ。」


「……恋愛偏差値ひく…。」


「今のは俺もびっくりした…。」


「な、なんだってんだよ!変なこと言ったか?」


「さ、そろそろもどろーっと。」


「ああ、そうだな。遅れたらキスティスがうるさい。」


さっぱり状況の呑み込めないゼルをよそに、二人は呆れながら席を立つ。空になったコーヒーのカップを捨て、始業5分前の鐘と共に教室へと戻っていった。


「おまたせ〜!!もう教室行かないとね!って、アレ?スコールとリノアは〜?」


「先に教室戻った。なんか呆れながら。」


「ヘェ〜?なんだろうね〜。」


「さぁな、俺らも行こうぜ。」


「うん!」


ゼルの隣で笑うセルフィもおそらくは自覚がないのだろう。


ああ、この二人、いつになったら…



◆恋愛偏差値32◆


(なーんて、気付かないフリしてるだけだっつーの。)


―ばれたらうるさいからな、特にリノアが。



(もう少しはこのままで。)


*********
アトガキ

ゼルセルすきなんですよねぇ。

奥手なゼルと能天気なセルフィ。

全然恋愛すすまなそうw

この二人が裏要素なことするのとかも想像できないなw

ロクティ同様ほのぼのが似合う二人。

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