夕食を食べ終わりリビングでそれぞれの時間を楽しんでいる骸と雲雀にクロームは声を掛けた。にこにこと楽しそうに笑いながら手の平をテーブルにくっつけて二人にも同じようにして欲しいとお願いをする。彼女の何をしようとしているのかは分からないが二人は両手をテーブルの上に置く。
「それでね、こうやって指を反らせるの」
クロームの指示通りにテーブルに手の平をつけたまま二人が指を反らせるとクロームは、くすくすと笑った。

「指が反れば反るほどその人は甘えん坊なんだって」
『…ッ?!』

うれしそうに身体を前後に揺らすクロームと自分の指を交互に見つめる二人。

「そういう君だって十分反ってるじゃないか」
「そうかな…?」
「そ、そうですよ。クロームの方が甘えん坊だと思います」

自分のプライドを守るために珍しく協力し合う二人にクロームはこんなことを言った。

「でもボスも隼人も武も殆ど上がらなかったよ?」
『…。』
「ボスたちよりも骸様と恭弥の方が甘えん坊だったのね」

以外だわ、と言うクロームを後ろから抱きしめ
「クローム限定で、です」
と唇を尖らせる骸。
「ちょっと、何抜け駆けしてるの」
骸に対抗するようにクロームの手を取る雲雀。

そんな二人を受け止めながら
(やっぱり二人とも甘えん坊さんだわ)
と彼女が心の中で呟いたのを彼らは知らない。


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