長編小説□

□幸せの戯曲
1ページ/2ページ

おぼえてますか、




空は いつものように広いです




どうしようもなく、ひろい です










『幸せの戯曲』













庭に咲いたはなが、一輪

殺風景な焼け野原に、その美しさが一段と映えている










縁側から見る景色は、毎日同じようで、実は毎日違うのだ

今日もまた、ぼうっと眺めてたら、いつからか咲いていたたんぽぽがゆれて

この世の中にも希望とかあるのかなって、つぶやいたら、

なんだか無性に馬鹿らしく思えて、嘲笑した




「、…バッカみてえ」
















神はぼくから全部奪ったくせに

じぶんは高みの見物か




プレゼントなんて、いまさらいらねえ







「もう、おせえんだ」







ただ、もしあんたがすこしでも、

すこしでも、まだ「かみさま」なんだったら










まだ すこしでも カミサマ、なんだったら、
















「…………」










…なんてな、







「いまさら、だ」



















ゆっくり進む時間に、もう多少の諦めは付いているから。










「『このせかいって、なんのためにあるのさ、』」







もう、なんにもわかんなくなってきて、

ただ呆然と天井に呟いた







枯れ行く世界は色濃く見えたとしても

アイツの目には もう、なんにもみえてねえんだから




「…もう、いみねえだろ、」










…いまなら、解る気がするよ




おまえがいった、最後の弱音の意味




























「         、」













きずいてやれなかっ たんだ




――あの、ときは…
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ