過去拍手

□過去拍手夢
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□初詣の願い事


親戚のお姉さんから借りた振り袖を着て、薬師寺と神社で待ち合わせ。

少し待っていると、普段着の薬師寺がやってきた。


「薬師寺も着物着てくればよかったのに」


「そんな恥ずかしい格好出来るかよ」


薬師寺は私を見て冗談半分に笑う。


「酷いなー」


他愛もない会話をしながら賽銭箱に続く行列に並ぶ。

二人で途切れなく会話していると、あっという間に順番が回ってきた。

二人して財布から十円玉一枚を取り出す。


「ケチだなー」


「お前もな」


同時に十円玉を賽銭箱に投げ入れると、パンパンと手を叩いた。


『病気や怪我もなく健康にいられますように』


『通知表がオール5になりますように』



『今年も薬師寺と同じクラスになれますように』




「何てお願いしたんだ?」


「教えない」


「たらふく飯食いたいってか?」


「違うわ!」


「じゃあなんてお願いしたんだよ」


「こっ、今年こそは薬師寺と違うクラスになりますようにってお願いしたんだもん!」


「うそつけ」


「う、嘘じゃないもん!」


「うそつけ」


「嘘じゃないもん!!」



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