「歯は丈夫なんだよ。歯磨きはなんか好きで」


あいつは見た目に寄らず綺麗好きで、手洗いとかうがいとかをよくした。
俺はとくにそうゆう習慣はなかったけど、付き合うようになってそれが当たり前になっていた。


「きれいずきなんすね」

「そうなるのかは、わからんがな」




がさつでよくわからないけど、いつ遊びに行っても部屋はきれいで。

口の中は虫歯だらけで、部屋の中はすぐに散らかしてしまう俺は、あいつには似合わない。




「なんか考えてるな」

「別に」

「かわいいな、お前」

「嬉しくないよ」


俺のどこがかわいいんだよ。目、おかしいんじゃねえの。

俺が男だからそうゆうこと聞けないと不安になるとか思ってたのか?








それは今でもわからないけど、









「かちかちかんでみて下さい。噛み合わせは大丈夫ですか」




あいつとの会話を思い出していると歯科医師さんに呼び戻された。


「大丈夫です」




そうゆうと歯科医師さんはまた笑顔を見せてくれた。






お昼はなに食べようかな。
永遠に夜ご飯がこなければいいのにな。



小さいコップで口をゆすぎながらぼんやりと思った。


吐き出した水には血が少し見えた。









081213

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