ランララ
霜の降りた川沿いは朝日に照らされていた。
ここからは電線がよく数えられた。
行き交う大量の鳥と寒波。
ああうん、雲もキレイだね。おはよう。
「寒い…閉めろ窓」
「見ろ、世界はこんなにも美しいぞ」
「サムい」
冷え性で低血圧な君にはひどい仕打ちだったか。
さっき木原さんは今日の最低気温が一度だと言っていたから。
「何時…」
「六時少し前」
「くそしね」
そういうと頭のてっぺんまで毛布にすっぽりと入ってしまった。シカマルはこの毛布がすごく好きらしい。引っ越すときにわざわざ実家から送っていた。
「しーかまる」
「…」
「しかーまる」
「…」
「しかまーる」
「うるせえ!」
あ、怒らせてしまった…
「…ごめん」
しょんぼりして布団から抜け出そうとすると、腕を捕まれた。
「?」
「ばか寒いから寝てろまだ」
ああ、そうだった。
シカマルは引っ越すときにわざわざ鍵を二つ作っていた。
霜はもう溶けたかな。
きっと太陽も高く上ってしまうなあ。
とかたくさんシカマルのいい匂いの中でうとうとと思った。
081231