それは激しい奇跡から起きたと言える。そして何気なく過ごしてきた日々は素晴らしいものだったと知る。






今のトラックの色、初号機みたいとか

バスに乗っているときはどうしてシートベルトがいらないのとか

今日は雲一つない快晴で雲は休みで羨ましいとか

そこのジョナサンはどうして潰れたのとか




助手席でうるさい。




それもしかたない、シカマルは10歳若返っていた。



「なあなあ」

「少し静かにできねえかなシカマルくん」

「いつになったら着くんだよ」

「あと一万秒くらい」

「え」



シカマルは一万秒が何分かはたまた何時間なのか目的地に着くまで結局考えていた。


静かにする方法にも色々あったみたいだ。




「ほんとは16歳のおまえと来たかったんだぞ」

「あ、そう」

「なんで縮んだんだろうなあ」




6歳に夢の国は刺激が強すぎるらしく、俺には素っ気なくしていてもわくわくを抑えられないようだった。




「何一番に行くんだ?」

「何があるんだ?ここ」

「え、城とか…」



意外と知らなかった。



「えーしらねえの!!」






16歳のシカマルが恋しくて仕方なくなった。




『俺、これとこれにはぜってー乗る』

『おうおう考えとけ考えとけ』

『昼飯はー…』




一昨日の記憶が走馬灯のように流れ出した。末期だった。



「あすま?」


「ん」

「どうした?」


「考えてた」


「"シカマル"のこと?」


「ん、そう」








ごめん、ごめんね。








やっぱりお前がいないとだめみたい、俺。








ウルトラミラクルラブストーリー







081217

[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ