anotherフォーチュンクエストシリーズ

□anotherフォーチュンクエスト番外編Bノル編
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彼らと出会ったのは、ズールの森にあるオシタカのダンジョン。
彼らは、そのダンジョンの奥にある鉱石を取りにきていて、オレは薬草を取りにきていた。

薬草と聞いて、目の色を変えて聞いてくるキットンに最初は驚いた。

すると、パーティのリーダーであるレオンが、

「悪いな。キットンは薬草やキノコのこととなると、暴走するんだ。おい!キットン!いい加減にしてやれ、困ってるぞ」

と、言い、キットンも、

「あー、すみません。まだ知らない薬草だったもので・・・」

と謝った。

オレは、気にしてないと言って奥に進もうとしたが、レオンの、

「目的地はお互い奥なんだから、一緒に行かないか?」

という、提案で一緒に行くことにした。

ここに出現するスライムは、火に弱い。

ここでオレは驚いた。
小さなエルフの女の子、ルーミィが戦っている。
必死にファイアーの呪文を唱え、スライムを倒している。
でも、もっと驚いたのは、レオンの魔法だった。
レオンは、ルーミィが一定の量のスライムを倒すと、すぐに炎の魔法でスライムを一気に一掃した。
こんなに強いなら、ルーミィに倒させるより、レオンが戦った方が早く奥に進めるんじゃないか、と思った。
だけど、レオンは道中同じことを繰り返していた。
そして、何度目かの戦闘の時。
ルーミィがレベルアップした。

その時、ようやくオレはレオンの行動の意味が分かった。

彼は、ルーミィのために、あえて戦っていなかったこと。
実際に、ルーミィは最初はたどたどしく呪文を唱えていたが、回を追うごとに、どんどん上手くなり威力も上がっていた。
それらを見極め、計算して、彼は仲間の成長を促していた。

そして、奥に着き彼らは鉱石をオレとキットンはコケを、採取した。

すっかり仲良くなったオレと彼らは、オレも急ぐ旅ではなかったこともあって、一緒にシルバーリーブ村へ向かうことになったが、ここで問題が起きた。

道に迷ったんだ。

マップを持つパステルは、泣きそうになっている。
彼女はマッパーなのに、方向音痴だったのだ。
マッピングはしていたが、どうにも目印にしていたものが見つからないらしい。

そんなパステルに、レオンはこう言った。

「気にするなとは、言わん。どうせ言ったところでアンタは落ち込むだろう?だから、ここから、マッピングしろ。道はあるんだ。どこかに通じてる。ここで泣いたところで何も変わらないぞ」

言われて、パステルは目尻の涙を拭き、新しいマッピング用紙を取り出した。

そうか、彼はいつでも仲間を責めない。
そこからどうすればいいかの、道を示してやる。

オレも何かしたい。
彼らのために。

その時、なんの前触れもなく、空から小鳥が飛んできて、オレの肩に止まった。

「ピーチュクチュク、ピーイピーォ!」

その鳥は教えてくれた、以前巣をモンスターに襲われそうになった時、パステルに助けられ、ずっと恩返しの機会をうかがっていたことを。

オレは、分かった。力を貸すことを小鳥に話す。

その様子を彼らは、驚いた様子で見ていた。

道を教える鳥がいるのに、パステルはマッピングをしていた。
なぜかと尋ねると、彼女は笑顔で答えた。

「これが私の役割だし、それに、ちゃんとね、みんなを迷わずに目的地に連れて行きたいの!まだ、1度も成功したことないけど、みんな、信じてくれてるから!」

そうか、彼らがこんなに仲が良いのは、お互いを信じ合っているからなんだ。

結局、その晩は鳥も夜では道が見えないから野宿となった。

パステルが料理を作り、レオンとルーミィは周辺に危険がないか見に行った。
オレはレオンに、キットンと一緒に薪と食べられるものを探してほしいと頼まれた。

そして、その晩、オレはレオンと話をした。



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