うさぎトレーナーシリーズ
□うさぎトレーナーと愉快な仲間たち
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2・初めてのジム戦
緊張しつつ、ジムの扉を開ける。
前は予約で入ったけど、今日はジム戦だもんね。
「あの、予約していたアサメタウンのユウリンです!」
ジムの人に言うと、バトルフィールドに案内される。
ここで、バトルするんだ。
ジムの人に、見学する人がいてもいいか聞くと、かまわないという返事がもらえたので、3人は観客席みたいなところへ行く。
そこへ、ジムリーダーのビオラさんが登場した。
キレイなお姉さんだなぁ。
ジムの審判が、使用ポケモンは2体と言ったので、めいりん(デデンネ)としょうれん(リザード)以外のみんなはボールから出して、観客席でバトルを見てもらうことにした。
その時に、れいしょう(ルカリオ)が3人を見て、何でここにいるんだ、というような顔をしていた。
「みんな、応援よろしくね!」
《ああ!!》
なんとなく観客席が気まずい感じだったので、そう声をかけると、みんな(ポケモンたち)は笑顔で応えてくれて、なんとか場の雰囲気は良くなったみたい。
「ジム戦、お願いします!」
ビオラさんに挨拶する。
「勝負に挑む、その表情。いいんじゃない、いいんじゃないの!」
「ありがとうございます」
「初めてのジム挑戦?」
「はい!」
「いいんじゃない、いいんじゃないの!」
これって、ビオラさんの口癖なのかしら。
「負けて悔しがるのも・・・勝った瞬間もどちらも、被写体としてサイコー!いいんじゃない、いいんじゃないの!」
被写体・・・確か、ビオラさんって虫ポケモンの写真を撮る人だよね?
私、虫ポケモンはまだ持ってないんだけどな。
「さぁて、このビオラ。シャッターチャンスを狙うように、勝利を狙っていくんだから!」
と言って、パシャっと1枚写真を撮られる。
ビックリしたー!でも、
「私も、負けません!みんなで勝利をつかみます!!」
そして、ジム戦が始まった。
ビオラさんのポケモンは、初めて見るポケモン。
水・虫タイプのアメタマっていうのね。
最初は、
「しょうれん(リザード)、あなたに決めた!」
ボールから出てきて元気な声をあげる、しょうれん。
「火炎放射!」
水タイプも持っているけど、虫タイプに効果バツグンな炎技を指示するけれど、アメタマが素早く避ける。
けど、素早さなら、しょうれんも負けないよ!
「しょうれん、狙って!」
私の言った意味が分かったのか、しょうれんは素早く動いているアメタマをジッと見る。
そこへアメタマのあわ攻撃がくる。
やっぱり、炎ポケモン対策はしてるよね。
「避けて!」
なんなく避けて、しょうれんがアメタマの動きをとらえたのが分かる。
「今よ!!」
声に合わせて、しょうれんが火炎放射を放つ。
見事命中!!
アメタマは倒れた。
「ありがとう、アメタマ。まさか、一撃で倒されるなんてね。次の子はどうかしら?」
ビオラさんが次に出してきたのは、またも初めて見るポケモン。
カントーのポケモン、バタフリーみたいだけど、羽模様がとってもキレイ。
ビビヨンっていうんだ。
私はそのまま、しょうれんを続投した。
「火炎放射!」
「粉塵よ!」
ふんじん?ビオラさんがビビヨンに指示すると、ビビヨンは粉を撒き散らした。
そして、しょうれんの火炎放射に当たると爆発し、しょうれんがダメージを受ける。
「えっ!?」
「あら、初めて見たの?この技は、炎と接触すると爆発する粉を撒く技。炎技は封じさせてもらったわよ!」
対策はしてると分かってたけど、まさかこんな技があるなんて・・・。
どうしよう・・・しょうれんは戻した方が・・・。
《ガウッ!!》
考えていると、しょうれんがこっちを見てなにかを訴えている。
「まだバトルしたいの?」
《ガウ!!》
そう聞くと、力強い返事が返ってきた。
しょうれんは得意の炎技が封じられて悔しいんだ。
なんとか突破口を見つけなきゃね!
「分かった!頑張って、粉塵をなんとかしようね!」
とは言ったものの、火炎放射以外は空中を自在に動き回るビビヨンにはなかなか当たらないし、粉塵を避けつつ、火炎放射を放っても、粉は空中にまっているから、しょうれんがダメージを受ける。
ここは、悔しいけど・・・、
「戻って、しょうれん!!」
しょうれんは首をふる。
「ごめんね、しょうれん。でも、今の私じゃ、粉塵の攻略の仕方が思いつけなくて、あなたにダメージを与えちゃう!だから、戻って!お願い!!」
私の言葉で、しょうれんは戻ってきた。
ごめんね、まだバトルしたかったよね。でも、これ以上は対策が見つからないから難しいの。
「めいりん(デデンネ)、行ってきて!」
私は、めいりんをバトルフィールドに送り出した。
めいりんはやる気まんまん。
「10万ボルト!」
《ね〜〜!!》
ビビヨンに攻撃は当たったけど、倒れない。
小さい体を活かして、ちょこまかと動いてビビヨンの攻撃を避けるけどダメージは負ってしまう。
だったら、
「パラボラチャージ!」
この技は、相手の体力を自分に与える技。
よし!回復したね。
パラボラチャージで体力を奪われ、フラフラするビビヨン。
決めるなら、今!!
「10万ボルト!!」
技が当たり、戦闘不能になるビビヨン。
「ビビヨン戦闘不能!勝者、アサメタウンのユウリン!!」
審判がそう告げる。
勝った!勝ったよ、みんな!!
「やった〜!しょうれん、めいりん、ありがとう!」
2匹を抱きしめる。
観客席のみんなも喜んでる。
「みんなも応援ありがとね!」
「今のあなたたち、サイコー!!いいんじゃない、いいんじゃないの!!」
「はい!みんな、サイコーの仲間です!」
「そうね。あなたとあなたのポケモンたちはサイコーの仲間ね!いいんじゃない、いいんじゃないの!!ホラ、これをどうぞ!!」
渡してくれたのはジムリーダーに勝った証のジムバッジ。
「おめでとう!バグバッジよ。あなたたちの勝利の証!」
バグバッジ・・・!
「バクバッジ!みんなで頑張った証ゲットだよ!!」
《ガウガウ!!》
《ねね〜〜!!》
「カメラのファインダー越しで初めて気づくことがあるように、ポケモンといることで見えてくることも、たくさんあるよね。そうやって、あなただけの宝物を見つければ、いいんじゃない、いいんじゃないの!!」
「宝物なら、もう見つかってます。みんなが私の宝物です!」
「クスッ!そうね!」
「あ、あの、アメタマとビビヨンは大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ」
「良かった。私はみんな大好きだから、対戦相手のポケモンも心配しました。傷つけちゃったのは、私なんだけど」
「それが、ポケモンバトルだもの。でも、あなたは大事なことが分かってるから大丈夫!これからも頑張ってね!」
「はい!ありがとうございます!」
ビオラさんにお礼を言って、めいりん以外をボールに戻しポケモンセンターへ戻った。
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