うさぎトレーナーシリーズ

□番外編『Rたちの旅2』
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2・初めてのゲット

トライポカロンのある、セキタイタウンに向かうため10番道路を歩く私たち。
たくさんの石の並ぶ道に、ユウリンちゃんと石を眺めながら疑問を話そうとするが、コウダイに石を見ててもしょうがないと言われ、先を急ぐことにしました。
たくさんのポケモンを見る中、ユウリンちゃんが草むらの隅にイーブイが3匹いることに気づきました。
しかも、そのうちの1匹は怪我をしています。
急いでイーブイのもとに行くユウリンちゃん。
優しく、手当てをして良いか尋ねます。
それに対して、イーブイの言葉を通訳するR。
怪我をしているイーブイは、ユウリンちゃんとRに任せ、私は他の2匹にコウダイと一緒に話しかけます。

「あなたたちは、怪我はないようですね」

《うん・・・兄ちゃんが助けてくれたから》

「兄ちゃん?お前たち、兄弟なのか?」

《僕らの言葉が分かるの?!》

「はい。私たちには、あなたたちの言葉が分かります」

《そうなんだ。うん。僕らは3兄弟なんだ。僕は真ん中》

「そうですか。ところで、さっき助けてくれたと言ってましたが、何かに襲われたんですか?」

《人間が、僕らのうちの1匹をゲットしようとしたんだ。でも、僕らはいつも兄弟一緒だったから、離れるのが嫌で抵抗したんだ》

私は、手当てを終えたユウリンちゃんにそのことを話す。
Rも手当ての時に、兄のイーブイから話を聞いていたのか不機嫌に話す。
すると、ユウリンちゃんはイーブイたちに目線を合わせ謝りました。
自分と同じトレーナーがそんなことをしたことに。
それを聞いて、私も謝りました。
私も今は、『トレーナー』ですし、何よりポケモンに人間を憎んでほしくないユウリンちゃんの力になりたかったから。
コウダイも謝り、Rは謝ると同時にユウリンちゃんの思いも伝えます。

《ねぇ、僕らをゲットして!!》

これは、ユウリンちゃんに言われた言葉ではありません。
私たち3人に言われた言葉です。

《ボクは、キミが良い!》

兄のイーブイがRに言います。

《僕は、あなたが良いな。》

兄弟の真ん中のイーブイが私を選びます。

《ぼくは、きみが良いですね!》

末っ子のイーブイはコウダイに頼んでます。

「どうしたの?」

ユウリンちゃんが聞いてきたので、Rがイーブイたちが私たちにゲットされることを望んでいることを伝えます。
それを聞いてユウリンちゃんは、

「イーブイたちが望んでるなら、良いと思う。それに、イーブイって色んな進化をするから欲しがる人はたくさんいるの。強引に手に入れる人間もね。ここにいて、離れ離れにされたり、またさっきみたいなことにあうより、Rさんたちと一緒にいた方が良いんじゃないかな?」

ユウリンちゃんのその言葉に、イーブイたちは頷きます。

「私は、あなたが初ゲットです。トレーナーになりたてで迷惑をかけるかもしれませんが、よろしいですか?」

《はい!!よろしくお願いします!》

Rやコウダイも、そんなことを話しイーブイたちをゲットしました。
まだ、ポケモンをボールに入れることに抵抗があることをRがユウリンちゃんに話し、ユウリンちゃんもよく知るためにボールから出しておいた方が良いと承諾し、しばらく一緒に遊ぶことにしました。
そこで、私たちはイーブイたちが進化したいことを知りました。

《ボクは、ブラッキーに進化したいんだ!!》

Rの兄イーブイはブラッキーに。

《僕は、グレイシアに進化したいです!》

私の真ん中イーブイはグレイシアに。

《ぼくはね、リーフィアになりたいですね》

コウダイの末っ子イーブイはリーフィアに。

「分かった。じゃあ、進化するまではニックネームで呼ばないようにしようか?」

《うん!やっぱり、進化してから呼んでもらいたい!》

「じゃあ、進化したら、ラックって呼ぶよ」

《うん!》

Rはそう言って、兄イーブイを撫でます。

「私たちもそうしますか?しかし、グレイシアは特別な場所での進化ですから、進化が遅いかもしれませんが」

《大丈夫です!あの、進化したら、なんて呼んでもらえますか?》

「そうですね。イシア、はどうでしょう?」

《すごく良いです!早く進化して、呼んでもらいたいです!》

「お前も進化したらで良いか?」

《もちろんですよ!なんて呼んでくれますか?》

「ん〜、リーなんてどうだ?」

《その時が、楽しみです!》

しばらく遊び、ユウリンちゃんのポケモンにバトンタッチすると、ユウリンちゃんがイーブイ兄弟の性格と個性を教えてくれました。
そして、4人とイーブイ3匹&めいりん(デデンネ)で歩き、休憩しているとデルビルがあらわれました。
デルビルは、Rにイタズラをしかけますが逆にイタズラされました。
そこを気に入ったのか、

《なかなかのイタズラ具合だな。気に入った、私をゲットしてくれ!》

と、頼んできました。

「良いだろう。お前の性格をワタシも気に入ったよ」

R、王様口調ですよ。
兄イーブイが戸惑ってますよ。
これは、後でユウリンちゃんにこのデルビルの性格を聞く必要がありますね。
個性はイタズラ好きで、間違いないでしょうが。
と、そこで私は野生ポケモン同士の争いを見てしまいました。
守っているのは、ルチャブル。
縄張り争いのようですね。
ここは、多くのポケモンが生息しているので仕方ないかもしれませんが、相手側がなんともガラの悪い口調だったのでルチャブルにアドバイスを与えて争いを終わらせました。
本来は、野生ポケモン同士の争いには人間は関わらない方が良いのですが、これもユウリンちゃんの影響でしょうかね。
ユウリンちゃんなら、

「ケンカはダメー!!」

と言って止めに入りそうですから。
そんな想像が安易にできて、思わず笑みがこぼれます。

《おい、お前!俺をゲットしてくれないか!?》

「はい?」

ルチャブルにそう言われ、思わず聞き返してしまいます。

《俺は力が自慢だが、お前のアドバイスのおかげで勝てた!力だけじゃなく、もっと強くなりたい!》

「分かりました。あなたの強くなりたいという思い、受け止めます」

《ああ。よろしく頼む!》

このルチャブルの性格もユウリンちゃんに聞きたいですね。
個性は、力が自慢ですね。きっと。

「ニックネームを付けても良いですか?」

《どんな名前もどんと来いだ!》

「で、では、チャブルはどうでしょう?」

《最高の名前だ!ありがとう!!》

こうして、一気に2体のポケモンと友達になりました。
ちなみに、チャブルは“ずぶとい”性格で、Rがゲットしたデルビルのダークは“きまぐれ”な性格でした。

「きまぐれで、イタズラ好きって、Rそっくりだよな・・・」

「そうですね・・・」

ここから、ユウリンちゃんがいない時のR&ダーク(デルビル)のイタズラに悩まされる私とコウダイがいました。



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