うさぎトレーナーシリーズ

□番外編『Rたちの旅2』
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4・可愛すぎる君

トライポカロンが開催されるまで、ユウリンとセキタイタウンを探索する。
巨大な石の前で記念撮影をした。
(リジュンやコウダイも一緒だが)
ポケモンセンターでは、トライポカロン用の髪型に苦戦するユウリンにリジュンがアドバイスするのを眺めたり、コウダイが撮ったジム戦や前のトライポカロンの映像、新たに撮ったポケビョンを見たり、なかなか楽しい日々を過ごした。
残念なのは、今回のトライポカロンの衣装をプレゼントできなかったこと。
ミアレシティで出会った、デザイナーのミリアがユウリンの実家にトライポカロン用の衣装を贈っていて、ユウリンは今回その衣装で出場する。
まぁ、さすがユウリンのためだけにデザインした衣装だけあって、とても可愛いが。
それに、今回は1次審査がポフレ対決だから、ユウリンの作った試作用のポフレをたくさん食べられたしな。
そして、トライポカロン、ルーキークラス・セキタイタウン大会が開催された。
前と同じ司会者が、前と同じように説明し、1次審査が始まる。
今回、ユウリンは1組目だった。
めいりん(デデンネ)の体の色に合わせたオレンジ色のワンピース。
胸元の大きな黒いリボンがアクセントでバルーンスカートタイプになっている。
足元は、黒いサンダル。
髪型はリジュンと練習した、2つのおだんごをオレンジ色のリボンで飾っている。

「あの子、めちゃくちゃ可愛いな!」

「あの子って、前のコウジンタウン大会で優勝した子だせ!今回も見れるなんてラッキー!」

会場の男どもの声に、苛立つ。

「ポケビョンも撮ってて、ランキング1位常連さんだぜ!」

「そうなのか?後でチェックしなきゃなぁ!」

「・・・R。オレに殺気放つの止めてくんないか?ユウリンちゃんの最高のポケビョンを撮るのが、オレの望みで、お前も服選び嬉々として手伝ってくれてるよな?」

「そうですよ。それに、あの人たちはユウリンちゃんを見ることしかできないんですから」

「見ることしかって、どういう意味なんだ?」

「ユウリンちゃんに、簡単に近づけさせると思いますか?私が許しません」

「まぁ、オレもそれは思うけど・・・」

ここで、コウダイがボソッと呟いた。

「リジュンって、すっかりユウリンちゃんの保護者だよな。っていうか、父親?いや、料理してるから母親か?」

その言葉に、思わず吹き出す。
確かに、ユウリンが毒を受けて寝込んだ時から、リジュンはユウリンに過保護だが、保護者扱い。
しかも、母親って・・・。

「なんですか?」

「いや、なんでもない。ほら、ポフレ作りが始まるぞ」

リジュンの問いをかわし、1次審査のポフレ作りを始めたユウリンを見る。
ポフレ作りは、部屋には入らず、そのまま用意されたキッチンで作る。
手順も審査対象なんだろう。
めいりんと楽しそうに作るユウリン。
チョコクリームをめいりんがつまみぐいして、ホッペに付ける。
しょうがないなぁ、という顔のユウリンが指ですくい、口に含む。
羨ましい・・・。

「会場の男どもは、全員Rと同じこと考えてるだろうな」

「そうですね」

リジュンとコウダイの言葉は、無視だ。
そして、試食が始まり審査に入る。
もちろん、ユウリンで決まりだ。
次々と審査通過者が決まり、2次審査のフリーパフォーマンスになった。
まず、めいりんがステージにパラボラチャージを放ち、しょうれんがはじける炎をさらに散らす。
その中でユウリンは飛び跳ねたり、くるくる回って踊り、めいりんはそんなユウリンにじゃれつき、しょうれんはゆーりんと手を繋ぎ息の合ったダンスを見せる。
そして、肩の上に乗っためいりんが飛び跳ね10万ボルトで大きな電気花火を作り上げ、降り注ぐ光の中、めいりんがちょこんとユウリンの頭の上に着地し、しょうれんがユウリンの前でポーズを決め、一礼してフィニッシュ。
前回とは違う、可愛さ全開のパフォーマンス。
か、可愛いすぎるよユウリン。
2次審査も終わり、優勝はユウリン!
優勝し、めいりんとしょうれんと喜び合うユウリンも可愛い。
そして、トライポカロン、ルーキークラス・セキタイタウン大会は終わる。
会場内のロビーには、おそらくユウリンを出待ちしている男どもがいる。
ユウリンが出てきたとたん、話しかけようとしたのを、リジュンとコウダイと共に阻止する。
仲良く話すボクたちに、悔しそうにしながら去っていく男たち。
去ろうとしない奴には、冷たい視線を向けてやった。
その後は、約束通りポケモンセンターでユウリンお手製のボク用に用意してくれたポフレを食べた(他のポケモンやコウダイやリジュンにも用意されてたが)。
これからも、トライポカロンやポケビョンでユウリンは有名になって男どもがほおっておかないだろう。
でも、ボクがそれを阻止する。
だって、君はボクの特別だから。
ボクを夢中にする可愛すぎる君が悪いんだよ?



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